輪の部分環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 01:21 UTC 版)
上記の如く減算の定義されている輪 W において、その部分集合 R = {x ∈ W | 0x = 0} は常に可換環となり、逆に任意の可換環は適当な輪におけるこの形の部分集合として得られる。この可換環 R の元 x が R において可逆ならば x−1 = /x が成り立つ。即ち、x−1 が意味を持つ限りにおいてその値は /x に等しいのであるが、後者 /x は前者と異なり常に(特に x = 0 のときでさえ)存在するのである。 例えば、実数体を(あるいは任意の可換環でも同様に)拡張して輪にすることができる。またリーマン球面に一つの元 0/0 を添加して輪に拡張することができる。ここでリーマン球面はガウス平面に(任意の複素数 z ≠ 0 に対して ∞ = z/0 となる)一点 ∞ を添加して得るものである(が、リーマン球面では 0/0 は定義されず、輪に拡張してようやく定義されるのである)。
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