跡との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:18 UTC 版)
正方行列の跡 (trace) とは、対角成分の総和である。それは固有値の総和に一致する。そのため、固有値の積である行列式とは指数関数 (exponential) を介してつながっている。行列に対する指数関数は exp ( A ) = ∑ k = 0 ∞ A k k ! {\displaystyle \exp(A)=\textstyle \sum \limits _{k=0}^{\infty }{\dfrac {A^{k}}{k!}}} と書けるが、A の固有値 λi とそれに属する固有ベクトル xi に対して、 x i exp ( A ) = x i ∑ k = 0 ∞ A k k ! = x i ∑ k = 0 ∞ λ i k k ! = x i exp ( λ i ) {\displaystyle {\boldsymbol {x}}_{i}\exp(A)={\boldsymbol {x}}_{i}\textstyle \sum \limits _{k=0}^{\infty }{\dfrac {A^{k}}{k!}}={\boldsymbol {x}}_{i}\sum \limits _{k=0}^{\infty }{\dfrac {\lambda _{i}^{k}}{k!}}={\boldsymbol {x}}_{i}\exp(\lambda _{i})} となることより、exp(A) は固有値 exp(λi) とその固有ベクトル xi を持つことが分かる。よって、関係式 det exp ( A ) = exp tr ( A ) {\displaystyle \det \exp(A)=\exp \operatorname {tr} (A)} が成り立つ。
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