認識なき過失と認識ある過失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 03:48 UTC 版)
認識なき過失(認識のない過失、無意識の過失)とは犯罪事実の表象すら欠いている過失をいう。 認識ある過失(認識のある過失、意識的過失)とは客観的な不注意が存在することを行為者が認識している過失をいう。違法・有害な結果発生の可能性を予測しているが、その結果が発生しないであろうと軽信することをいう。例えば、「自動車運転中、道路脇を走行中の自転車に接触するかもしれないと思いつつも、充分な道路幅があるので、自転車に接触することはない。」と思うような場合である。 認識ある過失に似て非なるものとして「未必の故意」がある。刑法学上の通説では、故意とは行為者が犯罪の実現について認容している場合をいう。違法・有害な結果発生の可能性を予測しつつ、その結果発生を容認してしまうことを未必の故意という。例えば、「自動車運転中、道路脇を走行中の自転車に接触するかもしれないと思いつつ、接触しても仕方がない。」と思うような場合である。
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