複素エアリー函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 06:59 UTC 版)
エアリー函数の定義を Ai ( z ) = 1 2 π i ∫ C exp ( t 3 3 − z t ) d t {\displaystyle \operatorname {Ai} (z)={\frac {1}{2\pi i}}\int _{C}\exp \left({\frac {t^{3}}{3}}-zt\right)dt} と置くことにより複素数平面まで拡張することができる。ただし、積分路 C は偏角 −π/2 の無限遠点 −∞i から偏角 π/2 の無限遠点 ∞i までとる。あるいは、微分方程式 y′′ − xy = 0 によって Ai(x) および Bi(x) を複素数平面上の整函数に拡張することもできる。 Ai(x) に対する漸近公式は、x2/3 の主値をとり、x が負の実軸の近くを除いて有界ならば、複素数平面上でもやはり有効である。Bi(x) に対する漸近公式が有効なのは、x が適当な δ > 0 に対する扇形 {x ∈ C : |arg(x)| < π⁄3 − δ} にあるときである。また、Ai(−x), Bi(−x) に対する公式は x が扇形 {x ∈ C : |arg(x)| < 2π⁄3 − δ} にあるとき有効である。 エアリー函数の漸近的挙動から分かることは、Ai(x), Bi(x) ともに負の実軸上に無限個の零点を持つことである。函数 Ai(x) は複素数平面上に他の零点を持たないが、Bi(x) は扇形 {z ∈ C : π⁄3 < |arg(z)| < π⁄2} にも無限個の零点を持つ。
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