藤衣

デジタル大辞泉

ふじ‐ごろも〔ふぢ‐〕【藤衣】

読み方：ふじごろも

１ 藤づるの皮の繊維で織った粗末な衣服。ふじのころも。

「穂にもいでぬ山田をもると—稲葉の露にぬれぬ日ぞなき」〈古今・秋下〉

２ 麻布で作った喪服。ふじのころも。

「—露けき秋の山びとは鹿のなく音(ね)に音(ね)をぞそへつる」〈源・夕霧〉

３ 序詞として用いて、織り目が粗い意から「間遠に」に、衣のなれる意から「馴れる」に、衣を織るの同音から「折れる」にそれぞれかかる。

「須磨の海人(あま)の塩焼き衣(きぬ)の—間遠にしあればいまだ着なれず」〈万・四一三〉

短編小説作品名辞典

藤衣

作者石川淳

収載図書石川淳全集 第3巻
出版社筑摩書房
刊行年月1989.7

季語・季題辞典

藤衣

読み方：フジゴロモ（ｆｕｊｉｇｏｒｏｍｏ）

かさね色目の一つで、表は薄紫、裏は萌黄

季節 夏

分類 人事

近代文学作品名辞典

藤衣

読み方：フジゴロモ（ｆｕｊｉｇｏｒｏｍｏ）

作者 石川淳

初出 昭和24年

ジャンル 小説