縦断曲線・縦曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 18:33 UTC 版)
縦断曲線の有無による視認性の違い 上 - 縦断曲線のない場合。下 - 縦断曲線のある場合。 勾配が変化する地点において、一点で突然勾配を変化させると路線に「折れ」が生じてしまい、走行性を阻害したり、路面に車両の底が接触したりするなど好ましくない。そこで、勾配の変化点では縦断方向に曲線を挿入し、徐々に勾配を変化させる。この曲線を縦断曲線、または英語表記からバーチカル・カーブ (vertical curve) と呼び、とくに鉄道においては縦曲線と呼ぶ。縦断曲線は二次曲線(放物線)が用いられるが、円弧で近似できるため、半径を用いてその大きさを表す。 縦断曲線は右図に示すように、車両の視認性を確保する効果もある。右図の上は縦断曲線のない場合であり、勾配変化点の手前を走る車両からは、勾配変化点により死角が生じその先を走る車両を視認することができない。一方、下の図のように縦断曲線を挿入すると、死角が小さくなり前方の車両を視認することができる。このような線形の状態から視認性が確保できる距離を視距(しきょ)と呼ぶ。視距は設計速度の高い路線では大きく取る必要があることから、縦断曲線の半径を大きく取ることが求められる。
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