緊急炉心冷却装置
別名:非常用炉心冷却装置
英語:Emergency Core Cooling System、ECCS
原子炉において、冷却装置が破損するなどして冷却機能が失われた場合に、緊急に炉心の冷却を行うために用意されている冷却装置。「ECCS」と略される。
多くの場合、原子炉は水冷ポンプと配管による冷却装置が利用されている。この配管が破損するなどして水冷装置の水位が低下した場合に、緊急炉心冷却装置が炉心に直接に注水するなどして冷却機能を維持する。
原子炉の冷却機能が失われると、燃料棒が発熱によって溶け出し、炉心溶融と呼ばれる深刻な原子力事故を引き起こす。2011年3月11日に東京電力福島第一原子力発電所で発生した原発事故は、巨大地震および津波に襲われた原子炉一号機で緊急炉心冷却装置の一種である「非常用復水器」が作動せず、深刻な事態に発展したとされる。
きんきゅう‐ろしんれいきゃくそうち〔キンキフロシンレイキヤクサウチ〕【緊急炉心冷却装置】
読み方:きんきゅうろしんれいきゃくそうち
緊急(非常用)炉心冷却装置(ECCS)
非常用炉心冷却装置
(緊急炉心冷却装置 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 17:06 UTC 版)
非常用炉心冷却装置(ひじょうようろしんれいきゃくそうち、ECCS、Emergency Core Cooling System、緊急炉心冷却装置)は、水を冷却材として用いる原子炉の炉心で冷却水の喪失が起こった場合に動作する工学的安全施設である。炉心に冷却水を注入することで水位を保ち核燃料を長期に渡って冷却し燃料棒の損壊を防止する。この作動は原子炉の停止を意味する。
- ^ ATOMICA 軽水炉燃料の炉内挙動(通常時)「原子炉運転中の被覆管温度は約550Kから700Kである。」
- ^ ATOMICA 燃料棒内温度分布(典型例)
- ^ Reactor Concepts (teachers) Manual - Boiling Water Reactor (BWR) Systems (PDF) The Nuclear Regulatory Commission, USA
- ^ 福島第一原子力発電所4号機の高圧注水系の不具合による運転上の制限の逸脱について 平成19年12月3日 (PDF) 東京電力
- 1 非常用炉心冷却装置とは
- 2 非常用炉心冷却装置の概要
- 3 原子炉格納施設
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