結婚したまえ、君は後悔するだろう。結婚しないでいたまえ、君は後悔するだろう。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/12 08:20 UTC 版)
結婚したまえ、君は後悔するだろう。結婚しないでいたまえ、君は後悔するだろう。(けっこんしたまえ、きみはこうかいするだろう。けっこんしないでいたまえ、きみはこうかいするだろう)は、結婚に対する概念。
概要
哲学者のセーレン・キェルケゴールによって残された言葉[1]。
2015年にマイナビによって行われた、結婚についてのネガティブ名言で思わず共感してしまうもののランキングでは、結婚したまえ、君は後悔するだろう。結婚しないでいたまえ、君は後悔するだろう。が1位であった。この言葉に対しては、既婚者も未婚者も共によく分かるという意見が多かった。このことは、隣の芝は青いや、ないものねだりなどという言葉でも言い換えられていた[2]。
『あれか、これか』の冒頭の『ディアプサルマタ』で述べられていた言葉であり、結婚するにせよ、結婚しないにせよ、いずれにしても君は後悔するだろうとの事であった。これに続いて、1人の乙女に忠実であっても、1人の乙女に不実であっても、君は後悔するだろうということも述べられていた[3]。
どちらにするかといった選択は、人間の自由を示すと共に、人間の不自由を示すということでもある。どちらを選ぶのも自由であるが、どちらか一方を選ばなければならないということは自由ではないからである。結婚をするかしないかは二つに一つであり、どちらを選ぶのも自由であるが、どちらを選んでも後悔する。人間というのは所詮生きても死んでも悔いを免れることはできないということである[4]。
キルケゴールによると、これこそが人生知の真髄とのことであった。多くの人は一方のことか他方のことをしてしまってから対立を統一したり媒介したりするときに永遠そうであるように見ていると信じている。だがこれは誤解で、なぜなら真の永遠はあれかこれかの後にあるのではなく、その前にあるからであるとのこと。このためこういう人たちは二重の後悔をなめることになり、こういう人たちにとって永遠とは一種の苦しい時間的経過に過ぎないとのこと。キルケゴールの知恵というのは、単に唯一の原則であり、それはそこから出発すらしないとのこと。キルケゴールは自分の原則からは出発しないとしており、その理由は出発すれば後悔するだろうし、出発しなくても後悔するだろうからであった。キルケゴールはそこからさらに続けて、ここまで述べてきたことに何か意味があるよう思ったならば、その思った人の頭というのは哲学に向いていないということを立証するに過ぎないとした。このキルケゴールの言葉からは何も変化していないのについて来ることのできる人に永遠の真理を展開するとしていた[5]。
脚注
- ^ “「幸せな結婚」を考える 1 「結婚離れ」の現代”. www.kogensha.jp. 2025年9月11日閲覧。
- ^ “思わず共感!結婚についてのネガティブ名言1位「結婚したまえ、君は後悔するだろう。結婚しないでいたまえ、君は後悔するだろう(キェルケゴール)」”. ニコニコニュース. 2025年9月11日閲覧。
- ^ “恋愛・セックス・結婚の哲学者キェルケゴール”. 2025年9月11日閲覧。
- ^ “キェルケゴールにおける美的実存”. 2025年9月11日閲覧。
- ^ 『ワイド版世界の大思想 第3期〈8〉キルケゴール』河出書房新社、2005年。
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