細胞系と無細胞系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 15:06 UTC 版)
「無細胞タンパク質合成系」の記事における「細胞系と無細胞系」の解説
DNAはPCRによって容易に複製することが可能となった。しかしタンパク質の場合、2006年の時点においてタンパク質を複製する技術は見つかっていない。このためタンパク質合成を行う場合、DNAからmRNAに転写し転写産物を翻訳するという一連の流れを大腸菌等の細胞を用い人為的に行うことで、タンパク質合成を行うという手法がある(細胞利用のタンパク質合成系)。 ただし、細胞を用いる方法ではいくつかの問題点が挙げられる。たとえば、合成に手間がかかる、合成可能なタンパク質が制限される、合成によって得られるタンパク質の量が少ない、合成に必要とする時間及びコスト等が非効率的、バイオハザードの危険が存在するといった点が挙げられることがある。また生命倫理の問題も存在している。 2013年5月、理化学研究所は、終止コドンを除いた環状mRNAを用いて無細胞タンパク質合成を行い、通常の直鎖状mRNAを用いた場合と比べて単位時間当たり200倍の反応効率を得ることに成功したと発表した。
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