系統とピレノイド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 15:52 UTC 版)
ピレノイドの起源は藍藻のカルボキシソームであると言われている。これはやはり RuBisCO の結晶体で、黒っぽく角ばった構造である。 ピレノイドは高等植物には見られない。これは、水中では空気中よりも二酸化炭素の拡散速度が小さく(およそ 1/1000)、藻類のように水中に棲む小さな生物の方がピレノイドの存在が有利に働くためであろうと考えられている。例外として、唯一ツノゴケの仲間には退化的なピレノイドが見られる。また、どの藻類の植物門にもピレノイドが無い生物が含まれており、分類群とその有無を単純に対応づけることはできない。 ピレノイドの形状は分類群毎に異なっており、しかも群毎に安定した形態形質である。したがって、藻類の分類形質として非常に重要なものである。生物によってはピレノイド中に葉緑体DNAが局在しているものや、またピレノイドが細胞核を包むような形状をとなっているものもある。その為、細胞核とピレノイドが何らかの遺伝情報をやり取りしているという意見もあるが、実際のところは不明である。
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