第10問題: 半球の表面積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/25 14:41 UTC 版)
「モスクワ数学パピルス」の記事における「第10問題: 半球の表面積」の解説
モスクワ数学パピルスの第10問題は、半球の表面積を問う問題である。曲面の面積の近似値を求める問題としては最も古い問題の1つである。 次のような例が書かれている。「かご(半球)の(表面積の)計算例。半球の開口部(の直径)は 4 + 1/2(の比率)。表面は? かごは卵形の半分(半球)なので、9の1/9を求める。すなわち1が得られる。(9から引いて)残りを計算すると8。8の1/9を計算する。2/3 + 1/6 + 1/18 が得られる。8からこれを引いた残りを求める。2/3 + 1/6 + 1/18 を引くと 7 + 1/9 が得られる。7 + 1/9 と 4 + 1/2 をかけると32が得られる。これが表面(積)である」 この計算を式に表すと次のようになる(dは直径)。 A = 2 × d × 8 9 × 8 9 × d = 128 81 d 2 {\displaystyle A=2\times d\times {\frac {8}{9}}\times {\frac {8}{9}}\times d={\frac {128}{81}}d^{2}} 一方、正しい半球面の表面積は次のようになる。 A = 1 2 π d 2 {\displaystyle A={\frac {1}{2}}\pi d^{2}} 以上から、古代エジプト人は円周率の近似値として、次の値を使っていたことがわかる。 π ≈ 256 81 = 3 + 1 9 + 1 27 + 1 81 ≈ 3.1605.... {\displaystyle \pi \approx {\frac {256}{81}}=3+{\frac {1}{9}}+{\frac {1}{27}}+{\frac {1}{81}}\approx 3.1605....}
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