確実性等価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/16 14:58 UTC 版)
ある選好関係が期待効用関数 U ( X ) = E [ u ( X ) ] ⋯ ( 1 ) {\displaystyle U(X)=\operatorname {E} [u(X)]\quad \cdots \quad (1)} で表されるとする。ただし u {\displaystyle u} は何らかの関数とする。この関数 u {\displaystyle u} はベルヌーイ効用関数(英: Bernoulli utility function)、基礎的効用関数(英: cardinal utility function)などと呼ばれる。この時、確率変数 X {\displaystyle X} の関数 u {\displaystyle u} についての確実性等価(英: certainty equivalent)とは次を満たす定数 C {\displaystyle C} のことを言う。 u ( C ) = U ( X ) = E [ u ( X ) ] {\displaystyle u(C)=U(X)=\operatorname {E} [u(X)]} 確実性等価は不確実性な利益 X {\displaystyle X} をもたらすギャンブルと同じ効用水準をもたらす不確実性のないギャンブルで支払われる利益を指す。ベルヌーイ効用関数 u {\displaystyle u} が単調非減少である時、以下の3つは同値であることが知られている。 数式(1)における期待効用関数で表現される選好がリスク回避的である。 選好が数式(1)における期待効用関数で表される時、 u {\displaystyle u} は凹関数である。 任意の確率変数 X {\displaystyle X} の関数 u {\displaystyle u} についての確実性等価を C {\displaystyle C} とすると、 C ≤ E [ X ] {\displaystyle C\leq \operatorname {E} [X]} が成り立つ。 3番目の条件から、リスク回避的な選好を持つ意思決定者は、不確実なギャンブルに対しては確実なギャンブルから得られる利益以上の平均的な利益を要求することが分かる。
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