硯の手入れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 02:44 UTC 版)
硯は半永久的に使えるものであるが、そのためには手入れが必要である。 鋒鋩を立てる 硯は使っているとだんだん磨り減って、ついにはツルツルになってくる。こうなると墨が磨れないので、硯用の砥石で硯面を研ぐ。これを鋒鋩(ほうぼう、「刀の先」の意)を立てるという。硯面に光をあてると鋒鋩と呼ばれるキラキラと光る細かい宝石のような粒が現れ、これで墨が磨れる。この鋒鋩が細かく密に、そして均一に散りばめられているほど墨色は美しく出る。また、鋒鋩が鋭く強いほど墨は早く磨れるが、あまり鋒鋩を立てすぎると、かえって良くない。立てすぎた場合は、磨墨の際に、金属音がする。 きれいに洗う 硯を使ったら脱脂綿などを使い、必ず隅々まで冷水(熱湯は硯が割れる恐れがあるため不可)できれいに洗う。宿墨(古い墨)を残しておくと新しく磨った墨も腐ってしまう。また磨った墨の断面を硯の上に立てて保管してはいけない。良い硯ほど墨が貼り付いてしまい、無理に取ろうとすると硯の面が剥がれてしまう。その場合は、接着面を水で濡らし、しばらくおいておくと、うまく剥がれることがある。近年、鋒鋩を痛めず、経年溜まった墨を取り除くことができる書道用洗浄液(蒼龍泉など)が販売されているので、簡単に硯面を綺麗にすることができるようになった。
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