硬さの相似則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 00:29 UTC 版)
ビッカース硬さ試験には硬さの相似則が成立する。すなわち、同一の試験片に異なった試験力、たとえば0.98Nと9.8Nを付与した場合、圧痕の大きさは変わるが、形は相似である。式1から、ビッカース硬さは試験力を圧痕の面積で除したものであるので、内部まで均一な硬さの測定物に対しては、試験力によらずHV値は一定となる。 上記から、異なった材料であっても、相似則が成立する場合は同じ尺度で硬さを比較でき、大変便利である。 ただし、薄膜や表面硬化層のように、表面と内部で硬さが異なるものでは、試験力を変化させるとHV値も変化し、小さい試験力のほうが高いHV値を示す。これは小さい試験力では圧子先端が表面付近にとどまるため、表面付近の情報しか検出しないのに対して、大きい試験力では内部まで圧子が侵入し、場合によっては薄膜や硬化層を突き破って母材の情報までを平均化したHV値を与えるからである。
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