矢合の昔話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 00:43 UTC 版)
江戸時代後期(1850年頃?)この近くに諸国巡礼をしている行者が通りかかった。夜になり、どこか泊まる場所を探していると、一軒の家にたどりついた。行者が「一晩泊めていただけませんか」と頼むと、この家の主人は、行者のみすぼらしい姿を見るなり戸を閉め、追い払ってしまった。行者はその行動に対し、「やがてこの家は滅びるだろう」と嘆いた。 行者は本郷村(現在の稲沢市矢合町?)の一軒の家にたどりつき、「一晩泊めていただけませんか」と頼んだ。この家の主人は心の広い人で、「たいしたもてなしは出来ませんが、どうぞ」と、行者を招きいれた。 あくる日、行者はお礼を述べ、再び巡礼に向かった。主人がふと見ると、小さな小箱が部屋に置かれてあるのに気づいた。小箱を開けると、小さな観音像があった。主人は「あの方は高貴な方に違いない」と思い、この観音像をおまつりした。この観音像が矢合観音の始まりだという。 行者の頼みを断った家は、やがて不幸が重なり、とうとう滅びてしまったという。
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