真空中での摩擦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 01:23 UTC 版)
金属を高真空中に置くと、表面に吸着していた気体分子が脱離したり酸化膜が消失することで凝着が起こりやすくなる。同種金属の摩擦係数は空気中で0.6程度だが、真空中では1をはるかに超えることがある。清浄な銅どうしでは100近い摩擦係数すら実現できる。 グラファイトは潤滑剤としても用いられる物質で、摩擦係数は常圧で0.1程度だが、酸素や水の分子を脱離させると0.7以上に増加する。プラスチックはもともと表面エネルギーが低く、ファンデルワールス力による弱い吸着(物理吸着)しか起こらないため、吸着による摩擦特性の変化は小さい。:97-108 このような結果から、大気圧条件下では潤滑剤を用いない場合にも厳密には乾燥摩擦とは言えないことがわかる。
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