相対論的解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:22 UTC 版)
アインシュタインの解釈によれば、観測者に対して運動する物体は縮んで観測される。 例として、x-軸方向に長さを持つ物体が、観測者 A (xyzw-座標系)に対して x-軸正方向に速度 v で等速直線運動する場合を考える (w = ct)。この物体と共に運動する観測者 B (x′y′z′w′-座標系)にはこの物体の長さが l で観測されるとする(w′ = ct′)。これはすなわち、観測者 B にとって同時刻に観測したときに、物体の端と端の x′-座標の値の差が l であることを示す。 t′ = 0 のとき、物体の片端が x′ = 0、もう一方の端が x′ = l にあるとする。このとき、物体の軌跡は {(x′, w′) | 0 ≤ x′ ≤ l} となり、右図薄青部である。ここで、 β = v c , γ = 1 1 − β 2 {\displaystyle \beta ={\frac {v}{c}},\gamma ={\frac {1}{\sqrt {1-\beta ^{2}}}}} とおくと、x′ = γ(x − βw) であるため、 0 ≤ x ′ ≤ l ⟺ β w ≤ x ≤ β w + l γ {\displaystyle 0\leq x'\leq l\iff \beta w\leq x\leq \beta w+{\frac {l}{\gamma }}} となる。すなわち、t = 0 のとき、片端は x = 0 に、もう片端は x = l γ {\displaystyle x={\frac {l}{\gamma }}} にあるので、観測者 A にとってこの物体の長さは l γ {\displaystyle {\frac {l}{\gamma }}} となることが分かる(なお、観測者 A にとって (x, w) = (0, l) となる点は、右図点線である双曲線 x2 − w2 = l と x-軸の交点であることからもローレンツ収縮の影響がわかる)。
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