相対磁気ヘリシティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/06 06:33 UTC 版)
「磁気ヘリシティ」の記事における「相対磁気ヘリシティ」の解説
上記に示したように、磁気ヘリシティは「閉空間」においてゲージ不変であり、保存量である。 しかし一方で、いくつかの現実問題に適用するために、「開空間」での磁場のヘリシティを測定したいという動機がある。 そこで、Bergerらは開空間においてヘリシティが0である参照磁場を用いて、 相対的な磁気ヘリシティを定義した。 これを相対磁気ヘリシティと呼ぶ。 以下、参照磁場としてポテンシャル磁場を用いる。 相対磁気ヘリシティ( H R {\displaystyle H_{R}} )は以下のように定義される。 H R = ∫ ( A + A P ) ⋅ ( B − B P ) d 3 r {\displaystyle H_{R}=\int ({\boldsymbol {A}}+{\boldsymbol {A}}_{P})\cdot ({\boldsymbol {B}}-{\boldsymbol {B}}_{P})\,d^{3}{\mathbf {r} }} 下付添え字の P {\displaystyle P} は、ポテンシャル磁場成分を示す。 開空間であるため、境界の時間変化により境界内部の相対磁気ヘリシティも変化することが考えられる。 上式の時間微分をとると、以下の式になる。 ∂ H R ∂ t = 2 ∫ [ ( A P ⋅ V t ) B n − ( A P ⋅ B t ) V n ] ⋅ n d 2 r {\displaystyle {\frac {\partial H_{R}}{\partial t}}=2\int [({\boldsymbol {A}}_{P}\cdot {\boldsymbol {V}}_{t}){\boldsymbol {B}}_{n}-({\boldsymbol {A}}_{P}\cdot {\boldsymbol {B}}_{t}){\boldsymbol {V}}_{n}]\cdot {\boldsymbol {n}}\,d^{2}{\mathbf {r} }} よって、境界上での速度場、磁場(ベクトルポテンシャル)が得られれば相対磁気ヘリシティの時間変化(入射量)を計算することができる。
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