盲点の補完
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 05:15 UTC 版)
盲点は網膜の中央に位置する中心窩(ちゅうしんか)から鼻側に約15度(5mm)ずれている。視角にして約5度で、長軸が垂直方向にある円に近い楕円形の形状をしている。5度とは1m離れたところにある直径8cmの円に相当する。 これほどの視覚情報が欠落しているにもかかわらず、さきほどの実験のような人工的な環境下でなければ、盲点の存在が意識にのぼることはない。これは、フィリングインと呼ばれる過程によって、盲点に対応する視野領域の情報が、盲点周辺の情報によって補完されているためである(外部リンクも参照)。 対象物を見る動作を行うと、目は解像度の高い中心窩をあちこちに移動させ、像を補正するためのサンプルを収集する。この動きをサッケードと呼び、最大で1秒に5回という速度で行われる。サッケードが行われている間、脳への視覚信号の流入は停止されるが、通常それを意識することはない。脳は集めたサンプルを使って途切れることのない鮮明な視覚を構成する。
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