異郷訪問譚
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異郷訪問譚(いきょうほうもんたん)とは、現世の地上世界、神話であれば葦原中国から、それ以外の異郷を訪れる話である[1]。「異界訪問譚」とも呼ばれる。
異郷から現世に帰還するかしないかで、大きく二分できる。また、「自発的に出発するか」「非自発的に出発するのか」でも大きく二分できる。
作品
- 伊邪那岐命の黄泉国訪問[2]
- 浦島子[3]
- 大穴牟遅神の根国訪問譚[4]
- 火遠理命の綿津見宮訪問譚
- 神功征韓譚
- 舌切り雀[5]
- 仙境異聞(幽冥界・外国、共に行ったと主張される)
- ガリヴァー旅行記
- 倉橋由美子著(倉橋はたびたびこのスタイルの長編小説を著している)
- スミヤキストQの冒険(1969年)
- アマノン国往還記(1986年)
- よもつひらさか往還(2002年)
- スペース1999第一シーズン(月面の核爆発により月が地球周回軌道から離脱し深宇宙へ暴走、制御できない。月は、他の高度文明の星系を否応なく突っ切ることになり、月面基地のメンバーは、地球や人類とは異質の宇宙文明に次々と遭遇ことになる)
●創作物における異界も参照にされたい。
構造的特徴
物語の前半のテーマが後半では逆の順序で出現し、後半では前半の否定ないし対立という形をとる構造(裏返し構造と呼ばれる)が多くみられる[6][7]。ただ、この構造は、異郷訪問譚に限定されるものではない[8]。
出典
- ^ 勝俣隆『異郷訪問譚・来訪譚の研究―上代日本文学編』 和泉書院、2009年、ISBN 978-4-7576-0535-0
- ^ 勝俣隆「伊邪那岐命の黄泉国訪問譚の解釈 : 黄泉国の存在位置と黄泉比良坂の位置関係を中心に」『長崎大学教育学部紀要. 人文科学』第72巻、長崎大学、2006年3月、1-15頁。
- ^ 石原昭平「浦島説話の異郷:富・長寿・悦楽の国」『日本文学』第23巻第9号、日本文学協会、1974年9月、57-64頁、ISSN 0386-9903、NAID 110009977997。
- ^ 勝俣隆「異郷訪問譚の意味:大穴牟遅神の根国訪問譚を中心に」『国語と教育』第28巻、長崎大学、2004年2月、82-93頁、NAID 110000987670。
- ^ 稲田浩二『日本昔話通観 第28巻』 同朋舎出版、1988年、ISBN 4-8104-0712-8
- ^ 大林太良「異郷訪問譚の構造」『口承文芸研究』第2号、日本口承文芸学会、1979年1月、1-9頁。
- ^ 依田千百子「韓国の異郷訪問譚の構造」『口承文芸研究』第5号、日本口承文芸学会、1982年、47-57頁。
- ^ 大喜多紀明「アイヌ口承テキストに見られる裏返し構造:異郷訪問譚によらない事例」『北海道言語文化研究』第14号、北海道言語研究会、2016年3月、45-72頁、ISSN 1882-6296、NAID 120005750728。
関連項目
- 異郷訪問譚のページへのリンク