タナカヒロカズ運動とは? わかりやすく解説

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タナカヒロカズ運動

(田中宏和運動 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/08 18:04 UTC 版)

田中宏和の会
団体種類 一般社団法人
設立 2014年
所在地 日本 東京都中央区銀座一丁目15番7号
北緯35度40分24.5秒 東経139度46分12.5秒 / 北緯35.673472度 東経139.770139度 / 35.673472; 139.770139座標: 北緯35度40分24.5秒 東経139度46分12.5秒 / 北緯35.673472度 東経139.770139度 / 35.673472; 139.770139
法人番号 7010005021975
主要人物 代表理事 田中宏和
活動地域 日本
活動内容 同姓同名による新しいコミュニティーの創造
活動手段 ギネス世界記録挑戦、メディア出演
会員数 263人(2025年6月22日時点)
ウェブサイト http://www.tanakahirokazu.com/
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タナカヒロカズ株式会社
種類 株式会社
本社所在地 日本 東京都渋谷区道玄坂1丁目10番8号渋谷道玄坂東急ビル2F-C
設立 2024年7月1日
法人番号 9011001163140
代表者 田中宏和
資本金 600万円
外部リンク https://company.tanakahirokazu.com
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タナカヒロカズ運動(タナカヒロカズうんどう)は、名前の読みが「タナカヒロカズ」の人物を集める社会運動

運動開始当初の名称は田中宏和運動(たなかひろかずうんどう)で漢字表記が「田中宏和」の人物のみを対象としていたが、2022年に現在の名称となり同音異字の人物も含まれるように対象範囲が拡大された。

沿革

1994年度のプロ野球ドラフト会議において奈良県立桜井商業高等学校田中宏和近鉄バファローズから1位指名を受けた際に、当時電通に勤めていた同姓同名の田中宏和(通称は「ほぼ幹事の田中宏和」)がこれに感激して、以降、自分以外の同姓同名の田中宏和をネタにした年賀状を作成し発送するという活動をシリーズ化する[1][2][3][4]

2002年12月30日付のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」(現・ほぼ日)で「ほぼ幹事の田中宏和」が年賀状の活動について紹介する機会を得る[5]。すると、このページを見た渋谷のデザイン事務所経営者の田中宏和(通称は「渋谷の田中宏和」)から「ほぼ日刊イトイ新聞」宛てに感想のメールが届き、約1年後の2003年12月に「ほぼ幹事の田中宏和」が「渋谷の田中宏和」宛てに面会を申し出るメールを送ったことで初の同姓同名同士の対面が実現する[6]。また、2004年6月には、朝日新聞の別冊版のbeでコーナーを持っていた荒俣宏からの推薦により、「ほぼ幹事の田中宏和」と「渋谷の田中宏和」、そしてアニメ『ポケットモンスター』の曲などで知られる作曲家田中宏和(通称は「作曲の田中宏和」[注 1])の3人が集まって取材を受け、その様子が同年7月31日付の朝日新聞に掲載された[1][7]

2005年2月、「ほぼ日刊イトイ新聞」にメールを送っていたウェブサイト制作会社経営の田中宏和(通称は「WEBの田中宏和」)が合流。同年12月には、運動の公式ウェブサイト「田中宏和.com」(現・「タナカヒロカズ.com」)を開設[1]。これ以降も継続的に同姓同名の「田中宏和」が加入する。

2009年には、「ほぼ幹事の田中宏和」の作詞、「作曲の田中宏和」の作曲、同姓同名の11人の「田中宏和」の歌唱によるテーマソング「田中宏和のうた」が制作される[8]。その後、TBSテレビ新知識階級 クマグス』に取り上げられたことで大きく知名度を上げ、2010年には同姓同名14人の共著『田中宏和さん』を出版した[9]

2011年、67人の「田中宏和」を集めてギネス世界記録を目指したが、アメリカの実業家マーサ・スチュワートがテレビ番組の企画で2005年に164人の「マーサ・スチュワート」を集めてすでに登録されていたため、実現はならなかった[2][10]

2014年、「同姓同名による新しいコミュニティーの創造」を目的とする「一般社団法人田中宏和の会」が設立され、「ほぼ幹事の田中宏和」が代表理事に就任する[11]

2017年、「漢字表記による同姓同名の人物」によるギネス記録を目指して再挑戦した。しかし、ギネス本部から漢字表記は国籍が限られるため認められないとの通知を受け、集まった人数も87人で「マーサ・スチュワート」の記録に及ばなかった[2][12][13]。一方、この際にギネス側から読みが同じであれば同姓同名とカウントされると伝えられていたため、同音異字の「タナカヒロカズ」に範囲を広げて募集を行ったが、誰も名乗り出ない状況が続いた[14]

こうした中、2022年2月に、「ほぼ幹事の田中宏和」が取材で知り合ったライターから「わたしの旦那の友人がタナカヒロカズさんなんです。漢字は違うんですが…」と伝えられたことがきっかけとなり、コミュニティFM局「渋谷のラジオ」で田中宏和の会が制作するラジオ番組「渋谷の田中宏和」(現・「渋谷のタナカヒロカズ」)に「田中尋和」(読み同じ)がリモート出演、6月4日に176人目のメンバーとして加入した[14]

2022年8月、「田中宏和運動」から「タナカヒロカズ運動」へリニューアルすることが発表された[15]

2022年10月29日、渋谷に178人の「タナカヒロカズ」が集合し、ギネス世界記録認定を達成した[16][17]。このニュースは、44か国24種類の言語で国際報道された[18]

2023年2月4日、セルビアで行われたイベントにおいて、同姓同名の256人の「ミリツァ・ヨバノビッチ」(Milica Jovanovic)が集結してギネス世界記録に認定され、「タナカヒロカズ」が保有していた世界記録は98日で破られた[19][20]。この後、「ほぼ幹事の田中宏和」がセルビアのイベント主催者に祝福のメッセージを送ったことをきっかけに両者の交流が始まり、同年4月には、世界の同姓同名運動団体と交流し世界平和をめざすNGO「国際同姓同名連盟(International Same Name Association、ISNA)」が立ち上げられた[18][21]

2024年7月1日、運動の参加者の境遇を活用して様々な事業を行う「タナカヒロカズ株式会社」(公式サイト等の表記は「タナカヒロカズ・カンパニー」)を設立。

2025年6月23日、「タナカヒロカズ」が商標登録された[22]

備考

日本で最も同姓同名の多い名前は、1990年代後半の姓氏研究家による調査では「田中実」、1986年の明治生命による調査では「佐藤和子」であるとされる[23]。また、この運動に先立つ同姓同名の集合としては、1951年に同姓同名の著名人の「伊藤武雄」5人が集まって撮影した写真が残されている[24]

活動のきっかけとなったプロ野球選手の田中宏和は、のちに「ピッチャーのタナカヒロカズ」として活動に参加している[25]

ロゴ

初期のロゴマークは「田中宏和」の「和」の「口」部分の上に「S」が重なっている。Sは英語で複数形。

2018年、インダストリアルデザイナーの「渋谷の田中宏和」によりカタカナ表記の「タナカヒロカズ」のロゴが制作された[14]

2022年に「タナカヒロカズ運動」へのリニューアルが行われた際には、英語表記の「The same name association of Hirokazu Tanakas」のロゴが新たに制作された[26]

テーマソング

  • 「田中宏和のうた」
    • 作詞:田中宏和("ほぼ幹事")、作曲:田中宏和("作曲の")

書籍

  • 田中宏和さん(発売日:2010年2月25日、出版社:リーダーズノート出版、著者:田中宏和14人[注 2]の共著、ISBN 978-490372218)
  • 全員タナカヒロカズ(発売日:2025年7月15日、出版社:新潮社、著者:田中宏和("ほぼ幹事")、ISBN 978-4-10-356381-5

脚注

注釈

  1. ^ 当初は「ポケモンの田中宏和」と表記されていた。
  2. ^ 「ほぼ幹事の田中宏和」 「渋谷の田中宏和」 「作曲の田中宏和」 「WEBの田中宏和」 「レコードの田中宏和」 「やめとまの田中宏和」 「社労士の田中宏和」 「映像の田中宏和」 「ランプの田中宏和」 「理科の田中宏和」 「レーザーの田中宏和」 「エンジニアの田中宏和」 「豪商の田中宏和」 「りんごの田中宏和」の14人。

出典

  1. ^ a b c 沿革”. タナカヒロカズ.com. 2025年8月5日閲覧。
  2. ^ a b c “尋ね人タナカヒロカズ全国カラ集マレ”. 朝日新聞. (2022年10月25日) 
  3. ^ “ハマりました:同姓同名集め 不思議な親近感で連帯”. 毎日新聞. (2017年5月2日). オリジナルの2017年5月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170502132923/https://mainichi.jp/articles/20170503/k00/00m/040/032000c 
  4. ^ ウェブ電通報 | 田中 宏和”. dentsu-ho.com. 2023年2月18日閲覧。
  5. ^ “田中宏和・年賀状の軌跡。”. ほぼ日刊イトイ新聞. (2002年12月30日). オリジナルの2002年12月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20021231090556/http://www.1101.com/2003_NEWYEAR/021230_tanaka_hirokazu/card.html 
  6. ^ 感心力がビジネスを変える!”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2004年1月1日). 2025年8月5日閲覧。
  7. ^ 感心力がビジネスを変える!”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2004年7月31日). 2025年8月5日閲覧。
  8. ^ 「田中宏和のうた」をレコーディングしました。”. 田中宏和.com (2009年10月17日). 2019年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月12日閲覧。
  9. ^ “史上初? 同姓同名本 著者は14人の「田中宏和さん」”. J-CAST. (2010年2月26日). オリジナルの2015年7月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150701092037/http://www.j-cast.com/trend/2010/02/26061029.html 
  10. ^ “同姓同名の不思議、ギネスに挑戦する田中さん”. NIKKEI STYLE. (2014年9月19日). オリジナルの2018年3月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180321045650/https://style.nikkei.com/article/DGXMZO77158420X10C14A9000000?channel=DF280120166607&style=1 
  11. ^ “特集ワイド:新しい連帯の形? 同姓同名さんと話してみれば 偶然が出会いもたらす面白さ”. 毎日新聞. (2019年3月23日). オリジナルの2019年4月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190422065650/https://mainichi.jp/articles/20190322/dde/012/040/014000c 
  12. ^ “右も左も田中宏和さん 87人の田中宏和さん同士が名刺交換する「田中宏和運動2017」がすごすぎた”. ねとらぼ. (2017年11月4日). オリジナルの2017年11月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171105123515/http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1711/04/news022.html 
  13. ^ “同姓同名の田中宏和さん87人が集結 世界記録更新はならず”. 産経新聞. (2017年10月28日). オリジナルの2017年10月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171028171321/http://www.sankei.com/life/amp/171028/lif1710280040-a.html 
  14. ^ a b c ついに176人目のタナカヒロカズさんは「田中尋和さん」でした。”. タナカヒロカズ.com (2022年6月4日). 2025年7月28日閲覧。
  15. ^ タナカヒロカズ運動へのリニューアル。179人目の「花のタナカヒロカズ(田中浩一)さん」とお会いしました。”. タナカヒロカズ.com (2022年8月9日). 2025年7月28日閲覧。
  16. ^ “178人のタナカヒロカズが東京に集結!"同姓同名"ギネス世界記録を達成”. (2022年10月29日). https://guinnessworldrecords.jp/news/2022/10/178-hirokazu-tanakas-gather-to-break-same-name-record 
  17. ^ “タナカヒロカズ178人集結 同姓同名が集まるギネス世界記録を達成:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. (2022年10月29日). https://www.asahi.com/articles/ASQBY5TNHQBXUTIL00X.html 
  18. ^ a b 10月18日(土)に2度目の「同姓同名最大の集まり」ギネス世界記録™️に挑戦します”. タナカヒロカズ.com (2025年7月1日). 2025年8月9日閲覧。
  19. ^ タナカヒロカズさん「98日天下」 セルビアで同姓同名ギネス記録更新”. 産経新聞 (2023年2月9日). 2023年2月11日閲覧。
  20. ^ 増田博樹 (2023年2月10日). “「タナカヒロカズ」さん破られる セルビアで同姓同名256人一堂に”. 毎日新聞. 2023年2月11日閲覧。
  21. ^ 同姓同名運動、世界へ タナカヒロカズさん、セルビアの集まりと交流開始”. 産経新聞 (2023年4月3日). 2025年8月9日閲覧。
  22. ^ 申請していた商標「タナカヒロカズ」が登録査定を受け、商標登録証が届きました。”. タナカヒロカズ.com (2022年7月15日). 2025年7月28日閲覧。
  23. ^ “同姓同名、大集合の魅力 日本で最多の名前は?”. 朝日新聞. (2017年11月6日). オリジナルの2017年11月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171106151546/http://www.asahi.com/articles/ASKC15F5DKC1UTIL02S.html 
  24. ^ アサヒグラフ』1951年新年号、朝日新聞社
  25. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2022年10月29日). “「タナカヒロカズ」さんが178人集う 〝3度目の正直〟でギネス世界記録達成”. サンスポ. 2023年2月18日閲覧。
  26. ^ タナカヒロカズ運動へのリニューアル。179人目の「花のタナカヒロカズ(田中浩一)さん」とお会いしました。”. タナカヒロカズ.com (2022年8月9日). 2025年7月22日閲覧。

関連項目

外部リンク




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