犯罪実行の着手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 03:54 UTC 版)
「犯罪の実行に着手」の意味については主観説と客観説の対立がある。 主観説(近代学派) 行為者の犯罪的意思を基準として実行の着手を認定する学説。主観説では外部的・客観的な行為は故意を認識するための手段とみるにすぎない。 主観説に対しては行為の客観的意味も考慮すべきで犯罪意思への偏重は正しくないという批判がある。 客観説(古典学派) 犯罪行為の客観的側面を基準として実行の着手を認定する学説。形式的客観説 犯罪の構成要件を基準として実行の着手を認定する学説。 実質的客観説 法的侵害の現実的危険性の有無を基準として実行の着手を認定する学説。 折衷説 主観説でも行為者の主観を離れた客観的行為は予定され、客観説でも基本的構成要件についての構成要件的故意は必要であるから、両説に区別の実益はないとして行為の主観・客観の両側面から実行の着手を認定する学説。
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