有限の交換可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/30 07:39 UTC 版)
「ベイズ階層モデル」の記事における「有限の交換可能性」の解説
定数 n に対して、集合 y 1 , y 2 , … , y n {\displaystyle y_{1},y_{2},\ldots ,y_{n}} が交換可能であるとは、同時確率 P ( y 1 , y 2 , … , y n ) {\displaystyle P(y_{1},y_{2},\ldots ,y_{n})} が添え字の順列によらず不変であることをいう。つまり、 1 , 2 , … , n {\displaystyle 1,2,\ldots ,n} を並び替えて得られるすべての順列 π ( π 1 , π 2 , … , π n ) {\displaystyle \pi \,(\pi _{1},\pi _{2},\ldots ,\pi _{n})} に対して次の式が成立する。 P ( y 1 , y 2 , … , y n ) = P ( y π 1 , y π 2 , … , y π n ) . {\displaystyle P(y_{1},y_{2},\ldots ,y_{n})=P(y_{\pi _{1}},y_{\pi _{2}},\ldots ,y_{\pi _{n}}).} x 1 , … , x n {\displaystyle x_{1},\ldots ,x_{n}} が独立同分布ならば交換可能だが、交換可能であっても独立同分布であるとは限らない。次に、交換可能だが独立同分布ではない例を示す。 壺の中に赤い玉 1 個と青い玉 1 個があり、二分の一の確率でどちらかを取り出すものとする。n 個の中から玉を 1 個取り出して、引いた玉は戻さずに、n - 1 個の中から次の玉を取り出す。 Y i = { 1 , if the i th ball is red , 0 , otherwise . {\displaystyle Y_{i}={\begin{cases}1,&{\text{if the }}i{\text{th ball is red}},\\0,&{\text{otherwise}}.\end{cases}}} 最初に赤い玉、2 番目に青い玉を取り出す確率も、最初に青い玉、2 番目に赤い玉を取り出す確率も、同じく二分の一であり、 y 1 {\displaystyle y_{1}} と y 2 {\displaystyle y_{2}} とは交換可能である。 P ( y 1 = 1 , y 2 = 0 ) = P ( y 1 = 0 , y 2 = 1 ) = 1 2 {\displaystyle P(y_{1}=1,\,y_{2}=0)=P(y_{1}=0,\,y_{2}=1)={\frac {1}{2}}} しかし、最初に赤い玉を取り出した後で 2 番目に赤い玉を取り出す確率は 0 であり、2 回目に赤い玉を取り出す確率とは等しくない。 P ( y 2 = 1 ∣ y 1 = 1 ) = 0 ≠ P ( y 2 = 1 ) = 1 2 {\displaystyle P(y_{2}=1\mid y_{1}=1)=0\neq P(y_{2}=1)={\frac {1}{2}}}
※この「有限の交換可能性」の解説は、「ベイズ階層モデル」の解説の一部です。
「有限の交換可能性」を含む「ベイズ階層モデル」の記事については、「ベイズ階層モデル」の概要を参照ください。
- 有限の交換可能性のページへのリンク