星座(星官)としての天皇大帝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 13:07 UTC 版)
「天皇大帝」の記事における「星座(星官)としての天皇大帝」の解説
現在の北極星(こぐま座α星)は柄杓の柄(小熊の尻尾)の先端にあるが、紀元前1100年ごろにはこぐま座β星の北極距離が約6.5度と、天の北極に最も近い北極星であり、帝と呼ばれていた。 そして、信仰の対象とは別に天皇大帝という名の星座も存在した。『開元占経』 の「巻69 甘氏中官占」 に見える。『晋書』 「天文志」 には 「口中一星を天皇大帝と曰(い)ふ」 という記述がある。この 「口中」 は、天帝の後宮で天帝の住まう紫微宮(しびきゅう)を護衛する勾陳(こうちん)という星座で、その第二星(こぐま座δ星、4等)・第一星(同α星・ポラリス、2等)・第五星(ケフェウス座 HD5848、4等)・第六星(同 HD217382、5等)で描かれる四辺形のことを指しており、天皇大帝はその中にある5等星(同 HD212710)である。『和漢三才図絵』 でも天皇大帝は 「口」 の中に当たる位置に記されているが、この図はかなり不正確なので注意が必要である。なお、オランダの東洋学者シュレーゲルは、こぐま座α星を天皇大帝と同定している。ただし、大崎によれば、シュレーゲルによる同定は 「第一級の資料とは認められない」 とのことである。
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