日本海固有水 (深層水) の長期変動について
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「日本海固有水」の記事における「日本海固有水 (深層水) の長期変動について」の解説
1965年以降の気象庁の海洋観測結果から、日本海固有水の変動が明らかになってきた。大和海盆西部および日本海盆東部の1000mから2000mの深層水では、ポテンシャル水温の上昇(昇温)と溶存酸素量の減少(貧酸素化)が続いている。また、2010年以降の高精度の海洋観測結果から、日本海盆北東部の深層(2500m以深)でも、同じような速さで水温の上昇と酸素量の減少が進んでいることが明らかになった。 これらのことは、冬季の日本海北西部で、海面で冷却された低温で酸素を多く含んだ海水の沈み込みが深層まで達しにくく、日本海の深層循環が弱まっている可能性を示唆している。 このような日本海固有水の変動については、IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書でも引用され、他の海洋と隔離された閉鎖的な海盆に存在する日本海固有水は、海面からの変動の応答が大洋の深層水よりも速く、地球温暖化の影響を受け易いことが指摘されている。
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