旋光分散との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 21:37 UTC 版)
旋光分散(ORD)は偏光の波長の変化につれて旋光度が変化する現象のことである。物質の屈折率を複素数で表した場合、旋光性は左右円偏光に対する屈折率の違いによるものであり複素屈折率の実部で表される。これに対し、左右円偏光の吸収の差である円偏光二色性は複素屈折率の虚部で表すことができる。このような複素屈折率においては、全波長における実部が分かれば虚部が、逆に全波長における虚部が分かれば実部を計算することができる(クラマース・クローニッヒの関係式)。 すなわち旋光分散スペクトルと円偏光二色性スペクトルはどちらか一方を測定すればもう一方は計算で求めることができる。そのため、現在では旋光分散スペクトルはほとんど測定されず、円偏光二色性スペクトルが測定されるようになっている。
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