戦争と少女
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/06 13:58 UTC 版)
「戦争と少女」 | |||||||||||||||||
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ZORNの配信限定シングル | |||||||||||||||||
リリース | 2025年8月19日 | ||||||||||||||||
規格 | デジタル・ダウンロード | ||||||||||||||||
ジャンル | ヒップホップ | ||||||||||||||||
時間 | 3分56秒 | ||||||||||||||||
レーベル | Hydeout Productions / All My Homies[1] | ||||||||||||||||
作詞者 | |||||||||||||||||
作曲者 | |||||||||||||||||
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「戦争と少女」(せんそうとしょうじょ)は、日本のラッパー、ZORNが2025年8月19日に配信リリースした楽曲。
背景・制作
本楽曲は、戦後80年番組としてリリース日前日の2025年8月18日にNHK総合で放送されたNHKスペシャル『戦火の時代(いま)に紡ぐ歌 PASS THE MIC』への出演をきっかけに制作された楽曲である。本番組では、制作の模様なども放送され、スタジオで楽曲のパフォーマンスも行った[2]。
楽曲の題材として、ZORNの地元で1945年に発生した東京大空襲を選定した。制作にあたり戦災孤児となってしまった人々に関心を持ち、当事者の体験談をリリックにした[2]。制作期間は半年ほどで、1バース目では東京大空襲の最中に逃げて生き延びた人物、2バース目では東京大空襲後に戦災孤児として上野駅で弟と一緒に生活していた人物の体験をストーリーテリングし、3バース目で自分の主観が出るという楽曲構造となっている。戦争というテーマでの楽曲制作は最初は不安であったが、制作しながら自分なりに意義を見出していったという。それぞれの当事者のもとに何度も直接伺い、その体験があったからこそドキュメンタリーな楽曲が完成したと述べている[3]。尚、楽曲リリース前である2025年6月、取材をした2人の内の1人が87歳でこの世を去っている[4]。
ZORNは「戦争と少女」について、以下のようにコメントしている。
ヒップホップはそもそも「声なき声」を拾い上げてきた音楽。80年前の戦争を体験された方がどんどん少なくなっていく中で、誰かが今伝えないと、それが無かったことのようになってしまうような“声”。その声を自分も語り継いでいければという思いで、曲を制作した。 — NHKスペシャル「戦火の時代(いま)に紡ぐ歌 PASS THE MIC」 - NHKより。2025年8月12日公開。
トラック
制作は2010年に急逝した音楽プロデューサー、Nujabes主宰のレーベルであるHydeout Productionsの全面協力で行われた。トラックにはNujabesの2枚目のアルバムアルバム『modal soul』に収録されている楽曲「reflection eternal」が遺族の了承を得て使用された。尚、Nujabesの楽曲に公式で日本語のラップが乗せられるのは今回が初めでであった[5]。ミックスとマスターはHayabusaが担当した[6]。また、ZORN名義の楽曲で音楽プロデューサー、BACHLOGIC以外のトラックが使用されたのは2020年に配信された楽曲「Have A Good Time feat. AKLO」以来である。
ZORNによれば番組出演のオファーの段階でNujabesのビートを使用できるという話があったといい、Nujabesの父親がNHKスペシャルの大ファンであるという背景もありZORNがラップを乗せるのであれば使用してもらってかまわないという条件だったという。「reflection eternal」は過去に自身の結婚式のプロフィールビデオに使用するほど思い入れがあったといい、「reflection eternal」であればどれだけ重たいテーマで重たい現実に向き合うことになろうとも、それに耐えうるモチベーションになるのではないかというのが始まりだったという[3]。
アートワーク
本楽曲のアートワークは、Nujabesの「reflection eternal」が収録されたアルバム『modal soul』のアートワークも手がけたDavid Verbaが担当。油絵で描き下ろした[7]。
ミュージックビデオ
2025年8月18日、「戦争と少女」のミュージック・ビデオをYouTubeに公開した。監督は映像作家の山田健人が担当した[8]。2025年8月29日には山田健人がナビゲーターを務めるJ-WAVE『THE PLAYBACK』にZORNが出演した[9]。
記録
iTunes Storeなどといった音楽配信サイトにて配信が行われ、オリコンデジタルシングルチャートの週間ランキング(2025年9月1日付)では8,606DLで、デジタルシングルチャートでは自身初となる1位を記録した[10]。Billboard JAPANのダウンロード・ソング・チャート“Download Songs”(2025年8月27日公開)では13,361DLで初登場1位を記録した他、急上昇ソング・チャート“JAPAN Hot Shot Songs” (2025年8月27日公開)でも1位を獲得した[11][12]。
収録曲
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
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1. | 「戦争と少女」 | ZORN | Nujabes | ||
合計時間:
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チャート
チャート | 最高順位 | 出典 |
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Billboard Japan Hot 100 | 32 | [12] |
Billboard Japan Download Songs | 1 | [11] |
Billboard Japan Hot Shot Songs | 1 | [12] |
オリコン 週間デジタルシングルランキング | 1 | [10] |
脚注
出典
- ^ “ZORN、NHK特番で発表した新曲「戦争と少女」のMVを公開。”. ABEMA TIMES (株式会社AbemaTV). (2025年8月19日) 2025年8月31日閲覧。
- ^ a b “ZORNがNujabesの楽曲でラップ、Zeebraはパレスチナ・ウクライナのラッパーとコラボ”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2025年8月12日) 2025年8月31日閲覧。
- ^ a b “Nujabesのビートに日本語のラップをのせた初の公式楽曲『戦争と少女』、ZORN×山田健人が制作の裏側を語る”. J-WAVE NEWS (株式会社J-WAVE). (2025年9月4日) 2025年9月4日閲覧。
- ^ “東京大空襲の記憶ラップで紡ぐ ラッパーZORNさん 「今、伝えないと」”. 北海道新聞 (株式会社北海道新聞社). (2025年10月6日) 2025年10月6日閲覧。
- ^ “ZORN×Nujabesの新曲「戦争と少女」MV公開、NHK戦後80年番組で紹介された楽曲”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2025年8月18日) 2025年8月31日閲覧。
- ^ “ZORN×Nujabesの新曲「戦争と少女」MV公開、NHK戦後80年番組で紹介された楽曲”. Hypebeast Japan株式会社 (株式会社ナターシャ). (2025年8月18日) 2025年8月31日閲覧。
- ^ “ZORN が Nujabes の遺したトラックを使用した新曲『戦争と少女』を発表”. Hypebeast (株式会社ナターシャ). (2025年8月18日) 2025年8月31日閲覧。
- ^ “ZORN、NHK特番で発表した新曲「戦争と少女」のMVを公開”. SPICE (株式会社イープラス). (2025年8月18日) 2025年8月30日閲覧。
- ^ “ZORNと山田健人が対談、2人の出会いや新曲「戦争と少女」に込めた思いが明らかに”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2025年8月28日) 2025年8月31日閲覧。
- ^ a b “ラッパー・ZORN、新曲「戦争と少女」で自身初のデジタルシングル1位 『NHKスペシャル』出演で話題【オリコンランキング】”. ORICON NEWS (オリコン株式会社). (2025年8月27日) 2025年8月31日閲覧。
- ^ a b “【ビルボード】ZORN「戦争と少女」1.3万DL超でDLソング・チャート首位獲得”. Billboard JAPAN (株式会社阪神コンテンツリンク). (2025年8月27日) 2025年8月28日閲覧。
- ^ a b c “【Hot Shot Songs】ZORN「戦争と少女」首位、11年後の“社会人版”が話題のRIP SLYME「熱帯夜」急上昇”. Billboard JAPAN (株式会社阪神コンテンツリンク). (2025年8月27日) 2025年8月28日閲覧。
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