憾 (瀧廉太郎)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 04:59 UTC 版)
『憾』(うらみ/ドイツ語:Bedauernswerth)は、日本の作曲家瀧廉太郎の数少ないピアノ曲の一つ。死の数ヶ月前という中(1903年)で作られた作品。ピアノ演奏技術として極端な進展はないものの、文明開化の中で西洋器楽音楽を取り入れようとする創意がある。全音楽譜出版社の『全音ピアノピース』で発売されているが、出版譜と自筆譜には差異が指摘されており、ミューズテック音楽出版から「メヌエット」と共に校訂版が出版されている。
日本人のピアノ独奏作品としては最も古いものの一つ。『荒城の月』をはじめとする歌曲が作品のほとんどを占める作曲者であるが、器楽曲を日本に導入しようという強い意思が、早すぎる晩年に現れている。
なお「憾」とは憎しみの気持ち(恨み、怨み)のことではなく、「遺憾」の憾、つまり心残りや未練、無念といった気持ちのことである。この曲の自筆譜の余白に「Doctor Doktor」[1]と走り書きがあったとされており、自身の若すぎる死を控えた憾の表れと考えられている。
楽曲の内容
Allegro marcato ニ短調、8分の6拍子。コーダの付いた三部形式。 左手の和音に乗せて、右手のオクターブで悲劇的なメロディーが奏でられる。中間部は主部のリズムを保ったままヘ長調に転調するが、すぐに主部が再現されたのち、分散和音で半休止して低音と高音で和音が打ち鳴らされ、低音で悲劇的に終結する。書法はより簡潔だが、同じ調性と拍子であるショパンの前奏曲第24番を思わせる。
演奏時間は約2分。
外部リンク
- 「憾」の楽譜研究 - ウェイバックマシン(2018年11月5日アーカイブ分)
- 憾 - ピティナ・ピアノ曲事典
- 瀧廉太郎-2つのピアノ小品集:「メヌエット」「憾(うらみ)」 - ミューズテック音楽出版
- 演奏動画 - YouTube
脚注
- ^ ドイツ語ならば「Doktor」だが、判然としない。
「憾 (滝廉太郎)」の例文・使い方・用例・文例
- 首相は贈賄事件に遺憾の意を表明した
- 遺憾ながら,交渉は何も進展しなかった
- 私は遺憾に思う。
- 私はそれを遺憾に思います。
- 私は遺憾の意でいっぱいです。
- 私たちは、それは非常に遺憾な事だと思います。
- 私たちは遺憾の意を表明する。
- 誠に遺憾ながら
- 契約をまもっていただけない状況について、甚だ遺憾に存じております。
- 彼らはみな彼女の死に遺憾の意を表した。
- 彼はその事件に遺憾の意を表した。
- 彼に機嫌を損ねられて実に遺憾だった。
- 大変遺憾ながら彼女が亡くなったことをお知らせします。
- 今では交通機関が発達したため、歩く人が少ないのは遺憾である。
- 君の行動には遺憾な点が多い。
- 君がそれを知らないのは遺憾千万だ。
- 遺憾ながらサービスはあまりよくない。
- 遺憾ながら、2月27日のお約束を守ることが出来ません。
- トムの報告書には遺憾な点が多い。
- それは遺憾なところが多い。
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