恒等式からの分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/15 07:04 UTC 版)
「ビルト・イン・スタビライザー」の記事における「恒等式からの分析」の解説
一般に、ある国民経済においては 国民所得=総消費+財政支出+民間投資+(輸出-輸入)...(1) 総消費+総税払+総貯蓄=総消費+財政支出+民間投資+(輸出-輸入)...(2) (総消費-総消費)+(総税払-財政支出)+(総貯蓄-民間投資)=(輸出-輸入)...(3) 財政収支+民間純貯蓄=経常収支...(4) となる。仮に民間投資が減少したとすると、財政収支と経常収支がそのままの場合、総貯蓄が減少することになる。(3)(4)より総貯蓄の減少は、消費性向を通して総消費の減少を意味し、民間投資の減少と併せて国民所得の減少(不況)を起こす。 しかし、国民所得の減少は通常、税収の減少にもつながるため、財政収支も悪化する。すると総貯蓄の減少は、財政収支がそのままの場合に比べて、軽微で済み、国民所得の減少も緩やかになる。また、輸入も国民所得に比例する傾向があるため、経常収支を通すことで貿易にもスタビライザー効果が見られる。
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