心理的資本(Psychological Capital)
心理的資本
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心理的資本(しんりてきしほん、英: Positive psychological capital、PsyCap)とは、高い自己効力感、楽観性、希望、レジリエンスによって特徴づけられる、個人のポジティブな発達状態と定義される。
概説
何十年もの間、心理学は主に精神疾患の治療を扱うものというイメージが強かったが、その他の研究分野や応用分野はその起源から存在していた。20世紀末、心理学における新たなアプローチ、ポジティブ心理学が人気を博した。
その中で、アメリカの経営学者であるフレッド・ルータンズは、「物事や将来に対してポジティブな感情を持ち、前に進むことが出来る」心の状態を表す新たな概念として、心理的資本を提唱した。
これらの頭文字を取り、『HERO within(内なるヒーロー)』、または単に『HERO』と呼ばれることが多い[1][4][5]。
様々な組織成果との関係
PsyCap は従業員にとってふさわしい態度、行動、パフォーマンスと正の相関関係がある
51の独立したサンプルのメタ分析によると、望ましい態度 (例: 満足感、コミットメント、幸福感)、行動 (例: 社会人としての責任あるあり方)、パフォーマンス (自己の、上司からの評価、客観的な) と PsyCap との間には、強力で重要な前向きの関係があり、望ましくない態度 (例: 皮肉、ストレス、解職への意図)、行動 (例: 逸脱した行為) へのネガティブな関係あることが判明した。
PsyCap は従業員のパフォーマンスとお互いにサポートし合う雰囲気との間の仲介をする
組織の安定した成長のためには、その中で働く人材にとって PsyCap とポジティブにお互いをサポートし合う雰囲気が必要である。サポートし合う雰囲気とは、従業員が成すべきことを全うするために、同僚、組織の他の部門、上司から受ける総合的なサポートを意味する。
PsyCap の高い従業員は、組織の変革を効果的に助ける
組織の変革とは、組織の目標と現在の成果との間にギャップがある場合、環境がそれを悪化させるということがないようにすることである。多くの場合、従業員は経営者が指示する新しい戦略に従って、より少ないリソースで調整したり行動したりする責任がある。組織の変革の時には、従業員の PsyCap の様々な側面がテストされる ー 彼らは新しい行動方法を学び、自信をもって行ない、危機から立ち直り、効率的に対処し、より良い未来を信じる必要がある。PsyCap とポジティブな感情は、個人的要因が組織変革を促進する例である。ポジティブな変化とは、組織が自らの利益のために経験するあらゆる変化と定義され、ネガティブな結果よりもポジティブな心理的および行動的影響をもたらす。ポジティブな感情の役割は、従業員が視点を広げることで、組織の変化に対処できるようサポートし、オープンな意思決定を奨励し、対処に不可欠な活力を与えることである。この相互作用は、PsyCap がポジティブな感情を通して、働く者の態度や行動に影響を与え、ひいては組織変革に影響を与える。
PsyCap は開発可能である
実証的研究においても、長期的研究においても、PsyCap の状態に似た性質はそれを開発して、パフォーマンスを向上させられることが示された。
PsyCap は仕事をこえて、人間関係や健康など、他の生活領域にも拡張できる
最近の研究では、「人間関係の PsyCap」と「健康の PsyCap」の測定値が、個人の満足度評価にそれぞれ関係していることが判明した。人間関係の場合は家族や友人と過ごした時間、健康の場合はコレステロールやBMIなどの望ましい客観的な結果などである。これら3つを仕事の満足度と組み合わせると、全体的な幸福感に関係する。
約10年間の理論構築と研究を経て、PsyCap は世界中で広く認知されており、ポジティブリーダーシップや、ビジネス、健康、教育、軍事、スポーツなど、あらゆる種類の組織における人材開発およびパフォーマンス管理プログラムの領域で活用されている。
脚注
- ^ a b “心理的資本(Psychological Capital)とは――意味や人的資本との違いをわかりやすく解説 - 『日本の人事部』”. jinjibu.jp. 2025年10月26日閲覧。
- ^ a b “心理的資本とは?4つの要素「HERO」や効果を解説!”. www.jmam.co.jp. 2025年10月26日閲覧。
- ^ “特集「「自分ならできる」がポイントに 組織を変える心理的資本」”. ictj-report.joho.or.jp. 2025年10月26日閲覧。
- ^ “心理的資本とは?働きがいにつながる「内なるHERO」知っておきたい概要と潮流 - 株式会社Be&Do” (2022年9月15日). 2025年10月26日閲覧。
- ^ “「心理的資本」は心のエネルギー? その定義・構成要素や導入スタンスについて解説”. UPGRADE|プロフェッショナル人事を経営の味方に (2025年10月15日). 2025年10月26日閲覧。
外部リンク
- Liam F. Page and Ross Donohue, Positive Psychological Capital: A Preliminary Exploration of the Construct, Monash University
- Institute of Applied Positive Psychology (IAPPI) - A not-for-profit, research based, educational institution dedicated to advancing the use of positive psychology in organizations.
- Gendron B. (2004) https://halshs.archives-ouvertes.fr/file/index/docid/201223/filename/B-Gendron-emotional-capital-article04-signature-actualisee05.pdf
- Gendron B. (2008) http://www.eiconsortium.org/members/gendron.htm
- 心理的資本のページへのリンク