心理的資本とは? わかりやすく解説

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心理的資本(Psychological Capital)

心理的資本(Psychological Capital)とは? 「心理的資本」とは、将来希望持ち、自ら目標設定して物事挑戦し自律的に前に進んでいくことができる心の状態のこと。米国ネブラスカ大学名誉教授、フレッド・ルーサンス氏らによって提唱され概念です。心理的資本は、自己開発自己成長促すモチベーションとなり、働きがいワーク・エンゲージメント高め重要なファクターになってます。仕事において成果上げ要因には、人的資本社会関係資本が重要であると考えられきましたが、それらに加えてポジティブ心理的エネルギー持っていることがパフォーマンス影響するとして、近年注目されています。

心理的資本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/26 09:31 UTC 版)

心理的資本(しんりてきしほん、: Positive psychological capitalPsyCap)とは、高い自己効力感楽観性、希望、レジリエンスによって特徴づけられる、個人のポジティブな発達状態と定義される。

概説

何十年もの間、心理学は主に精神疾患の治療を扱うものというイメージが強かったが、その他の研究分野や応用分野はその起源から存在していた。20世紀末、心理学における新たなアプローチ、ポジティブ心理学が人気を博した。

その中で、アメリカ経営学者であるフレッド・ルータンズは、「物事や将来に対してポジティブな感情を持ち、前に進むことが出来る」心の状態を表す新たな概念として、心理的資本を提唱した。

心理的資本は、以下の4つの要素より成る[1][2][3]

これらの頭文字を取り、『HERO within(内なるヒーロー)』、または単に『HERO』と呼ばれることが多い[1][4][5]

様々な組織成果との関係

PsyCap は従業員にとってふさわしい態度、行動、パフォーマンスと正の相関関係がある

51の独立したサンプルのメタ分析によると、望ましい態度 (例: 満足感、コミットメント、幸福感)、行動 (例: 社会人としての責任あるあり方)、パフォーマンス (自己の、上司からの評価、客観的な) と PsyCap との間には、強力で重要な前向きの関係があり、望ましくない態度 (例: 皮肉、ストレス、解職への意図)、行動 (例: 逸脱した行為) へのネガティブな関係あることが判明した。

PsyCap は従業員のパフォーマンスとお互いにサポートし合う雰囲気との間の仲介をする

組織の安定した成長のためには、その中で働く人材にとって PsyCap とポジティブにお互いをサポートし合う雰囲気が必要である。サポートし合う雰囲気とは、従業員が成すべきことを全うするために、同僚、組織の他の部門、上司から受ける総合的なサポートを意味する。

PsyCap の高い従業員は、組織の変革を効果的に助ける

組織の変革とは、組織の目標と現在の成果との間にギャップがある場合、環境がそれを悪化させるということがないようにすることである。多くの場合、従業員は経営者が指示する新しい戦略に従って、より少ないリソースで調整したり行動したりする責任がある。組織の変革の時には、従業員の PsyCap の様々な側面がテストされる ー 彼らは新しい行動方法を学び、自信をもって行ない、危機から立ち直り、効率的に対処し、より良い未来を信じる必要がある。PsyCap とポジティブな感情は、個人的要因が組織変革を促進する例である。ポジティブな変化とは、組織が自らの利益のために経験するあらゆる変化と定義され、ネガティブな結果よりもポジティブな心理的および行動的影響をもたらす。ポジティブな感情の役割は、従業員が視点を広げることで、組織の変化に対処できるようサポートし、オープンな意思決定を奨励し、対処に不可欠な活力を与えることである。この相互作用は、PsyCap がポジティブな感情を通して、働く者の態度や行動に影響を与え、ひいては組織変革に影響を与える。

PsyCap は開発可能である

実証的研究においても、長期的研究においても、PsyCap の状態に似た性質はそれを開発して、パフォーマンスを向上させられることが示された。

PsyCap は仕事をこえて、人間関係や健康など、他の生活領域にも拡張できる

最近の研究では、「人間関係の PsyCap」と「健康の PsyCap」の測定値が、個人の満足度評価にそれぞれ関係していることが判明した。人間関係の場合は家族や友人と過ごした時間、健康の場合はコレステロールやBMIなどの望ましい客観的な結果などである。これら3つを仕事の満足度と組み合わせると、全体的な幸福感に関係する。

約10年間の理論構築と研究を経て、PsyCap は世界中で広く認知されており、ポジティブリーダーシップや、ビジネス、健康、教育、軍事、スポーツなど、あらゆる種類の組織における人材開発およびパフォーマンス管理プログラムの領域で活用されている。

脚注

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