式量濃度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 21:00 UTC 版)
式量濃度は体積濃度の一つで、単位体積中に含まれる混合物のグラム式量数で定義され分析濃度や全濃度と呼ばれることもある。体積モル濃度に似るが、酸や等の解離性の化学種や錯体形成反応等、溶液中で物質量が変化する場合ではこのような濃度が用いられる。 式量濃度は含まれる化学種すべての濃度の総和であり、化学種の平衡濃度(溶液中で化学反応が見かけ上起こらなくなった状態の濃度)を解離定数や溶解度定数等の平衡定数から簡単に求めることができる。詳しくは規定度なども参照されたい。 ここでは例として、解離性の化学種(A)32 gを水で希釈し、100Lとした水溶液を用いる。尚、この化学種(A)の分子量は32であり、水溶液中で40 %解離し、化学種(B)を生じるとする。 この化学種(A)の物質量は1 molであり、式量濃度は体積モル濃度と同じように0.01 mol/Lと算出できる。ここで、水溶液中の体積モル濃度を式量濃度から求めることができる。 水中で化学種(A)は40 %解離し化学種(B)を生じている。つまり、式量濃度(全濃度)0.01 mol/Lの40 %が化学種(B)の体積モル濃度である。つまり0.01×0.4 mol/L=0.004 mol/Lと簡単に計算できる。また同じように化学種(A)は60 %存在するため、0.006 mol/Lと求めることができる。 このように系の中に含まれる物質の式量濃度(全濃度)を求めることは、さらに複雑な解離、錯形成反応を起こす化学種のモル濃度を求める際にも非常に有用である。
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