康熙字典体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 06:19 UTC 版)
康熙帝(こうきてい)によって編纂が命じられた『康熙字典』の字形に基づく字体を指す。全般的には字典に用いられてきた字体である字典体を踏襲しているが、『正字通』でやや過度にわたる規範意識を持って示された字形も多く採用している。そもそも字典体は干禄字書系統の字形に代表されるように一般的に広く流布し、最も常用されていた字体ではなく小篆の字体に近づけたものが少なくなかった。そのため、『康熙字典』には伝統的な楷書の字形と異なる字形が多く見られる。 『康熙字典』は広く流布されたため、そこに示された明朝体の字形を伝統的な楷書の字体に基づいた明朝体の字形と区別して康熙字典体という。ただし『康熙字典』では皇帝の名(玄燁)の「玄」を避諱(ひき)して欠画を行なった「」や「」といった字形が見られるなど、正字体として用いるには適当でない点があった。そのような実用に適さない部分を変更したものが現在通用している康熙字典体であり、そうした現在でも通用している康熙字典体を端的に明示する際にはこれをいわゆる康熙字典体と呼んで区別することもある。
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