山姥 (能)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/27 16:30 UTC 版)
『山姥』(やまんば、やまうば)は、山に棲む妖怪である山姥を素材にした能の作品。五番目物・鬼女物に分類される。囃子に太鼓が入る太鼓物である[3]。
注釈
- ^ 正しくは「世上」。伊藤校注 (1988: 360)。
- ^ 季節や時刻にかなった音の高さ。伊藤校注 (1988: 361)。
- ^ 梅原・観世監修 (2013: 428)は、夕月がかげってきたと解する。伊藤校注 (1988: 361)は、夕月が輝き始めたと解する。
- ^ 『和漢朗詠集』曲水宴「礙石遅来心竊待、牽レ流遄過手先遮」(菅原雅規)による。梅原・観世監修 (2013: 436)、伊藤校注 (1988: 260)。
- ^ 「深野」は、正しくは「林野」あるいは「塵野」か。伊藤校注 (1988: 362)。
- ^ 前世の悪業により鬼となった者は自らの死屍を鞭打ち、前世の善行により天人となった者は自らの死屍に散花するという説話(『天尊説阿育王譬喩経』等)による。伊藤校注 (1988: 362)。
- ^ 『和漢朗詠集』山水「山復山、何工削二成青巌之形一、水復水、誰家染二出碧潭之色一」による。伊藤校注 (1988: 362)。
- ^ 『伊勢物語』に「芥川といふ河をいきければ。草の上に置きたりける露を。かれは何ぞとなん男に問ひけるを。……夜も更けにければ。鬼ある所とも知らで。神さへいといみじう鳴り雨もいたう降りければ。……はや夜も明けなんと思ひつつ居たりけるに。鬼はや女をば一口に食ひてけり。あなやといひけれど。神の鳴るさわぎにえ聞かざりけり。やうやう夜も明けゆくに。見れば率て来しおんなもなし。足ずりをして泣けどもかひなし。白玉か何ぞと人の問ひし時露と答えて消えなましものを。」とあるのを引く。大和田編 (1896: 190-91)。
- ^ 蘇東坡「春宵一刻値千金、花有二清香一月有レ陰」による。伊藤校注 (1988: 198, 363)。
- ^ 『和漢朗詠集』郭公「一声山鳥曙雲外」による。伊藤校注 (1988: 363)。
- ^ 「難波津に咲くやこの花冬籠り今は春べと咲くやこの花」(古今和歌集仮名序等)を踏まえる。伊藤校注 (1988: 363, 18)。
- ^ 『後拾遺和歌集』釈教「津の国のなにはのことか法ならぬ遊び戯れまでとこそ聞け」による。伊藤校注 (1988: 20, 364)。
- ^ 「高き山も麓の塵泥よりなりて、天雲たなびくまで
生 ひ上 れるごとくに」(『古今和歌集仮名序』)を踏まえる。伊藤校注 (1988: 364)。 - ^ 『仏説七女経』「人於二深山中一大呼音響四聞耳不レ知二所在一」を悟りの境地の比喩とするのを踏まえる。伊藤校注 (1988: 364)。
- ^ 『源平盛衰記』十、『平家物語』長門本「前には海水瀼々として月真如の光を浮め。後には巌松森々として風常楽の響を奏す。雲東天に晴れ波西海静なり。誠に三尊来迎の儀式も便あり。九品往生の望たりぬべし。刑鞭蒲朽ちて蛍空しく去る。諌鼓苔深うして鳥驚かず。」による。大和田編 (1896: 192)、伊藤校注 (1988: 364)。
- ^ 『和漢朗詠集』帝王「刑鞭蒲朽蛍空去、諌鼓苔深鳥不レ驚」による。伊藤校注 (1988: 364, 436)。
- ^ 『古今和歌集』春上「遠近のたづきも知らぬ山中におぼつかなくも呼子鳥かな」による。大和田編 (1896: 193)、伊藤校注 (1988: 364)。
- ^ 杜甫「春山無レ伴独相求、伐木丁々山更幽」による。伊藤校注 (1988: 364)。
- ^ 「柳緑花紅真面目」という詩は蘇東坡の詩と伝えられるが、典拠は不明である。伊藤校注 (1988: 94-95)。
- ^ 『古今和歌集仮名序』「薪負へる山人の花の蔭に休めるがごとし」を踏まえる。伊藤校注 (1988: 365)。
- ^ 『万葉集』「棚機の五百機立てて織る布の秋さり衣たれか取り見ん」による。大和田編 (1896: 194)。
- ^ 『古今和歌集』神遊歌「青柳をかた糸によりて鶯の縫ふてふ笠は梅の花笠」による。伊藤校注 (1988: 365)。
- ^ 『和漢朗詠集』擣衣「八月九月正長夜、千声万声無二了時一」(白楽天)による。伊藤校注 (1988: 365)。
- ^ 『説法明眼論』「宿二一樹下、汲二一河流一……皆是先世結縁」をはじめとして諸書に見える成句。伊藤校注 (1988: 366, 34)。
- ^ 『和漢朗詠集』仏事「願以二今生世俗文字之業狂言綺語之誤一、翻為二当来世々讃仏乗之因転法輪之縁一」(白楽天)による。伊藤校注 (1988: 366)。
出典
- ^ a b 天野 (2019: 396)。
- ^ 権藤 (1979: 248)。
- ^ 天野 (2019: 396-97)。
- ^ 大和田編 (1896: 185-86)。読みがなは現代仮名遣い。
- ^ 大和田編 (1896: 186)。
- ^ 梅原・観世監修 (2013: 425)。
- ^ 大和田編 (1896: 186-88)。
- ^ 大和田編 (1896: 188-89)。
- ^ 伊藤校注 (1988: 361)。
- ^ 天野 (2019: 397)、梅原・観世監修 (2013: 428-29)。
- ^ a b 大和田編 (1896: 189)。
- ^ “謡曲に引かれた和漢朗詠集:巻上 春(1):42”. 謡曲の統計学. 2021年1月11日閲覧。
- ^ 梅原・観世監修 (2013: 429)。
- ^ 梅原・観世監修 (2013: 436)。
- ^ 大和田編 (1896: 190)。
- ^ 大和田編 (1896: 190-91)。
- ^ 梅原・観世監修 (2013: 435)。
- ^ 大和田編 (1896: 193)。
- ^ 大和田編 (1896: 193-94)。
- ^ 伊藤校注 (1988: 500-01)。
- ^ 梅原・観世監修 (2013: 421)、伊藤校注 (1988: 501)。
- ^ 天野 (2019: 397)。
- ^ 伊藤校注 (1988: 500)、天野 (2019: 396)。
- ^ 梅原・観世監修 (2013: 421)、天野 (2019: 397)。
- ^ 梅原・観世監修 (2013: 421)。
- ^ a b 権藤 (1979: 249)。
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- 2 山姥 (能)の概要
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