局所運動の統合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 08:41 UTC 版)
窓問題を超えて2次元の運動方向を正しく推定するためのひとつの手段として、局所的に検出される1次元運動情報を統合することでパターン全体の運動方向を検出していると考えられている。初期視覚系における局所運動検出よりも高次の運動検出メカニズムの存在が示唆されているが、現段階ではまだ明らかになっていない。 一定の大きさの窓/覗き穴(aperture)を通して線が右下に移動するという運動を観察する、という状況について考えてみる。この場合の線の運動方向は、右・右下・下までの範囲でさまざまな場合が考えられる。つまり、このように一定の大きさの窓/覗き穴から局所的に運動をみている場合には、運動方向のベクトルは一意には定まらない。運動方向の解は移動した後の線上のどこかの点としかわからない。さらに別の窓/覗き穴からの局所運動情報を得て、それら複数の運動情報を統合することにより、はじめて線の正しい運動方向が推定できる(運動方向の解がわかる)ということになる。 この運動情報の統合の方法として主に、運動方向ベクトルの合成による方法と、制約線の交点(intersection of constraints; IOC)による方法の2つがあげられる。
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