小正準変分型TST
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/01 08:35 UTC 版)
遷移状態理論の根本的な欠陥は、反応物から生成物またはその逆の反応として遷移状態の全ての交差を数えることである。現実には、分子はこの「分割面」を越えて引き換えすかもしれず、あるいは複数回越えて、本当に一度しか反応しないかもしれない。そのため、未補正のTSTは速度係数の上界しか与えない、と言われる。これを補正するため、変分型遷移状態理論はそれぞれの固定エネルギーについて反応速度を最小化するためにうまくいく反応を定義する分割面の位置を変動させる。この小正準的取り扱いで得られた速度式はエネルギーにわたって積分することができる。これは、正準(熱的)速度を与えるために、エネルギー状態にわたる統計学的分布を考慮に入れている。
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