富永敬俊とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 富永敬俊の意味・解説 

富永敬俊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/25 17:24 UTC 版)

富永 敬俊(とみなが たかとし、1955年2月28日 - 2008年6月8日)は、東京都出身の醸造学者。ボルドー第二大学ワインのアロマに関する研究を行った。

研究

1955年、東京都に生まれ、1990年フランスに渡る。ボルドー第二大学醸造学科に籍を置き、白ワイン醸造の専門家ドゥニ・デュブルデュー教授 (fr:Denis Dubourdieuに師事する。ソーヴィニヨン・ブランの香りの構造に関する研究を行い、1992年に修士号を取得。ソーヴィニヨン・ブランワインから、パッションフルーツを想起させる香りを持つチオールの一種3-メルカプトヘキサノールを初めて同定し[1]1998年には日本人として初めて博士号を取得した[2]。2000年、「ソーヴィニヨン・ブランの特徴的な香りの物質の同定とそのプレカーサーから生成メカニズムの解明」で、フランス・アカデミー・アモリムよりグランプリを受賞。2001年よりボルドー第二大学およびフランス国立農業研究所 (fr:Institut_national_de_la_recherche_agronomiqueのリサーチエンジニアに就任した[3]

2003年メルシャン甲州葡萄の試験醸造中に発見した物質の同定の依頼を受けたことをきっかけに共同研究を実施。2005年には「甲州きいろ香」を世に送り出した[4]

愛鳥家で知られ、1994年春にボルドー大学のキャンパスで出会ったメザンジュ・ブルーのひな鳥を「きいろ」と名付けて愛した。きいろは1歳の誕生日を迎えることなくこの世を去ったが、著書やワインの銘柄「甲州きいろ香」[5]にその名が付けられている。愛鳥との日々は、2013年に絵本として出版された[6]

2008年6月8日、ボルドー市内にて心筋梗塞のため急逝。享年53[4][7]

著書・関連図書

脚注

  1. ^ 『きいろの香り』pp47-48
  2. ^ TAKAのボルドー便り 1.TAKAのプロフィール紹介”. アサヒヤワインセラー. 2017年11月7日閲覧。
  3. ^ 『きいろの香り』p361 著者略歴
  4. ^ a b 富永博士を偲ぶ会”. レコール・デュ・ヴァン (2008年2月16日). 2017年11月7日閲覧。
  5. ^ シャトー・メルシャン 甲州きいろ香”. メルシャン. 2017年11月7日閲覧。
  6. ^ 白ワイン「きいろ香」誕生の一躍を担った「きいろ」の話が絵本に!  〜故・富永敬俊博士夫妻と愛鳥「きいろ」の素敵な話〜”. WinePressJapan (2013年7月13日). 2017年11月7日閲覧。
  7. ^ シャトー・メルシャン「甲州きいろ香」の富永敬俊博士ご逝去”. L’ecole du Vinのブログ (2008年6月20日). 2017年11月7日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「富永敬俊」の関連用語

富永敬俊のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



富永敬俊のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの富永敬俊 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS