実験室での少量合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 04:11 UTC 版)
隣接した炭素に1つずつヒドロキシ基を有するグリコールを実験室で合成する場合には、アルケンを四酸化オスミウムで酸化するか、アルケンを冷却しながら塩基性条件下で過マンガン酸カリウムと反応させてジオールを得る。参考までに、四酸化オスミウムや過マンガン酸カリウムを用いた場合、反応機構はシン付加なので、もし、この反応を環状のアルケンに対して行った場合には、2つのヒドロキシ基はシス体の位置に付加する。 なお、過マンガン酸カリウムを用いる場合は、充分に冷却しながら反応させないと、グリコールでは酸化が止まらずに、C=Cの2重結合が開裂し、開裂した部分がカルボキシ基にまで酸化されてしまう場合がある。ちなみに、もしC=Cの2重結合が開裂した際に、このC=Cの2重結合の片側の炭素に、2つの炭素が結合していた場合には、カルボキシ基にはならず、ケトンになる。これは環状のアルケンのC=Cの2重結合を、この方法で開裂させた場合も同様である。
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