実践と問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/25 20:01 UTC 版)
この方式は、少数グループが選出されるのを(単純小選挙区制や完全連記制と違って)可能にするが、立候補者の数によって支持票の効果が変動するので、保証はされない。 例えば、ヴォウタヴィルの54%の有権者が青党を支持し、46%が赤党を支持したとする。町の中で支持が偏っている地域がないとすると、完全連記制や単純小選挙区制では青党が3議席すべてを獲得し、制限連記制では赤党は通常1議席を獲得する。 しかしこれは、青党が無理をすることによって1議席しか獲得できなくなる可能性があるという事実により、複雑になる。青党は60%近くを得票しているので、3議席すべてを獲得したいという誘惑に駆られるかもしれない。これを実現するには、青党は3人の候補を擁立するしかない。青党よりも弱いことを承知している赤党は、2名の候補しか競わせず、支持票を集中させることを選ぶ。 町内100,000人の有権者がそれぞれ2票を投じたとすると、結果は次のようになる。 ロリー・レッド 46,000票 当選 レイチェル・レッド 46,000票 当選 バリー・ブルー 38,000票 当選 ベリル・ブルー 36,000票 ボリス・ブルー 34,000票 3名の候補を擁立させたことにより、青党は町内の明らかな多数党であるにもかかわらず、支持票を割ってしまった。 この例から分かるように、制限連記制は比例選挙制度ではない。 逆に、少数代表が達成されるのを失敗させる方法は、最大党が最大の利益を得るために、よく組織をまとめ、支持票の配分に成功する場合である。これが成功した歴史的な例は、1880年に英国のバーミンガム市で行われた3人区の下院議員選挙である。有権者は最高で2票まで投ずることができた。
※この「実践と問題」の解説は、「制限連記制」の解説の一部です。
「実践と問題」を含む「制限連記制」の記事については、「制限連記制」の概要を参照ください。
- 実践と問題のページへのリンク