太宰令とは? わかりやすく解説

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太宰令

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/10 03:21 UTC 版)

太宰令(たいさいれい)は、中国のの時代にあった官職である。祭祀の供え物を掌った。春秋時代以前、の時代以降には、太宰という官職があったが、地位も職務も異なる。

歴史

春秋時代までの太宰

宰は肉を扱う料理人である。太宰は殷・周の頃からあり、王の家政をとりしきったようである。文献では春秋時代にも見える。

を興した劉邦は、高祖2年(紀元前205年)に昔の秦の祝官を召し、太祝と太宰を復した[1]。前漢初期の官制・官名は全般に秦の制度を踏襲しているので、秦の制度も前漢の太宰令以下と同じであろう。

前漢

前漢の太宰令は、奉常(後に太常)の属官(部下)であった[2]。次官として(太宰丞)がついた[2]。『漢書』顔師古注が引用する『漢儀注』によれば、太宰令には屠者72人、宰200人が属したという[3]

後漢

後漢でも太常に属した。職務は、「鼎・俎・饌具(供えるための器物)の製作と、国の祭祀で饌具をならべる」ことである[4]秩石は600石。丞(太宰丞)が一人ついた[4]

晋以後の太宰

儒教経典にそった制度を復興させようという機運から、の建国時には太宰、太傅太保三公として設けられた[5]。祭祀のためには祭酒令を置いた。この後、太宰があるときには三公として置かれることとなり、太宰令はなくなった。

脚注

  1. ^ 『史記』巻28、封禅書第6。ちくま学芸文庫『史記』。
  2. ^ a b 『漢書』巻19上、百官公卿表第7上。『『漢書』百官公卿表訳注』38頁。
  3. ^ 『漢書』巻8、宣帝紀第8、本始四年。
  4. ^ a b 『続漢書』(『後漢書』第25)、百官志2、太常。早稲田文庫『後漢書』志2、450 - 451頁。
  5. ^ 『晋書』巻24、志第14、職官。

参考文献

外部リンク




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