基源植物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 09:38 UTC 版)
雅楽に「蘇合香」という曲(唐楽、盤渉調)がある。伝説ではインドのアショーカ王が病に倒れたとき、蘇合草という草から得た薬で回復したため、それを記念して王が曲を作ったものとされている。この曲の舞は蘇合草に模した菖蒲のような冠をつけて舞う。しかし、現在知られている蘇合香を産するいずれの植物も菖蒲の近縁種ではないため、この蘇合草の素性については分かっていない。 16世紀までは蘇合香はトルコ近辺に産するエゴノキ科の植物セイヨウエゴノキ(Styrax officinalis)から得られる樹脂のことを指していた。この植物は安息香と近縁の植物である。しかし、同じようにトルコ近辺に産し、品質的に類似したより安価なフウ科(旧マンサク科)の植物ソゴウコウ(Liquidambar orientalis; レヴァントスチラックスと呼ばれる)から得られる樹脂が現れてからは、それにとって代わられる形で市場から消えた。 現在ではこの植物の近縁種でありアメリカ南部から中央アメリカに産するモミジバフウ(Liquidamber styraciflua; アメリカフウ、アメリカソゴウコウノキ、アメリカンスチラックスと呼ばれる)から得られる樹脂も市場に出ている。
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