土俵祭_(映画)とは? わかりやすく解説

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土俵祭 (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/09 09:28 UTC 版)

土俵祭
『新映画』昭和19年1月号広告
監督 丸根賛太郎
脚本 黒澤明
原作 鈴木彦次郎
出演者 片岡千恵蔵
市川春代
羅門光三郎
山口勇
岸井明
音楽 西梧郎
撮影 宮川一夫
製作会社 大映京都撮影所
配給 大映
公開 1944年3月30日
上映時間 82分
製作国 日本
言語 日本語
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土俵祭』(どひょうまつり)は、1944年(昭和19年)3月30日[1][2][3]公開の日本映画である[4]大映京都製作。監督は丸根賛太郎鈴木彦次郎の原作を前年『姿三四郎』でデビューしたばかりの黒澤明が脚色[5]、主演は片岡千恵蔵モノクロスタンダード、82分(ただし現存しているのは78分の短縮版[1])。配給は紅系[1][2][5]

あらすじ

黒雲部屋に入門した竜吉は親方の娘・きよの提案で富士ノ山[6]の四股名を名乗る。明治18年(1885年)、猛稽古の末、竜吉は初土俵を踏むが、勝利至上主義を標榜し竜吉を嫌う兄弟子・大綱のせいで、練習ができなくなる。見かねた関取・玉ケ崎の尽力で白玉[7]部屋に移籍すると、白星を積み重ね、遂に入幕。大綱との因縁対決に臨む。

スタッフ

(現存している短縮版にはクレジットが入っていない)

キャスト

(現存している短縮版にはクレジットが入っていない)

 ※当初は花柳小菊が配されていた[9]

その他

監督の丸根は前作の『マリア・ルーズ號事件 奴隷船』という「あくどい娯楽映画」を監督したのち、次作として添田知道原作の作品の監督を務める予定であったが、急遽当作の監督を務めることとなり、内容を知らないままに「気持のいい娯楽映画」の監督を務めることとなった[8]。この経緯から、企画の立ち上げや脚本の制作の過程において、丸根は関与していない[8]

脚本を執筆した黒澤は前年1943年に『姿三四郎』で監督デビューを果たしているが、これまでにも何本かの映画脚本を書いていた[8]。黒澤によれば、助監督時代の給料が48円のところ大映からの脚本料は200円で、3本書けば助監督としての年間給料の総額を上回っていた[11]。ところが、この黒澤の脚本は何らかの事情で改訂を余儀なくされ、その改訂作業は黒澤の仕事の都合により丸根自身が行うこととなった[8]。具体的な改訂個所は不明だが、丸根は黒澤の書いた「独特の味」を削ぎやしないかと思いつつ、改訂作業にあたっていたという[8]

相撲の所作指導は、千恵蔵と親交のあった当時小結輝昇が行った[12]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 土俵祭(KINENOTE)
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 土俵祭(日本映画データベース)
  3. ^ a b c d e f g h 田中純一郎『日本映画発達史Ⅲ』戦後映画の解放』、中公文庫、P.153
  4. ^ 架空の相撲映画である。
  5. ^ a b c d e f g h i j k 土俵祭KADOKAWAアーカイブ 2021年8月25日 - ウェイバックマシン
  6. ^ 現実では富士の山優斗が実在する。
  7. ^ 現実でも実在する年寄名跡である。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 丸根 1944.
  9. ^ 新映画、52 1944.
  10. ^ 土俵祭(KINENOTE) - ただし表記が「岸井彰」になっている。
  11. ^ 黒澤、蝦蟇の油 1984, pp. 247–248.
  12. ^ 新映画、23 1944.

参考文献

  • 『新映画』第1巻第1号、日本映画出版、1944年1月、23頁。 
  • 丸根賛太郎「「土俵祭」あれこれ」『新映画』第1巻第1号、日本映画出版、1944年1月、23頁。 
  • 「昭和十九年の企画展望」『新映画』第1巻第1号、日本映画出版、1944年1月、52頁。 
  • 黒澤明『蝦蟇の油 自伝のようなもの』岩波書店、1984年。ISBN 4-00-000304-6 

外部リンク


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