吾妻形
- 寡婦又は奥女中が張形を使用せしが如く、鰥夫が女陰の代りとして使用せし物を云ふ。薄き鼈甲にて造り孔口に天鵞絨の切れを張れり。使用法は蒲団を両端より捲きたる中央にこれを挿入するなりと云ふ。陰戸形、又は革形(かはがた)とも云へり。革にても造りしなり刊本に見えたるは元禄八年の『好色旅枕』にあるを最古とす。
- 吾妻形。女陰形にせる一種の張形。女陰代用として男子の用ふる淫具、一に陰相といふ。又陰戸形とも称し、革にて作れるを革形といふ。元禄八年「好色旅枕」にあるを刊本最古とす。「松屋筆記」に「宗鑑が犬筑波集に「あづまぢのたが娘とか契るらんあふさか山をこゆる張形」云々、あづま形は此あづまぢの句によりて云ひ出し名なる事思ふべし」とあり。「女才学絵抄」に閏中道具狂歌十四首中に「女にはかつへし人のあづま形湯に温めて使ふぞと知れ」とあり。「全盛七婦久腎」には「天鵞絨のつかぶくろをうらがへしふとんをまき間へ挟みおきふとんを抱き又つかぶくろへへのこを入れ気をやるべし」。又「阥阦手事巻」には「吾妻形の秘伝、まづこんにやく玉をよくむして皮をさりすりばちにてよくすりつぶし図の如く拵へべし」云々。英泉の「枕文庫」にも図解して「べつこうのうすきを合せまらを両方よりしめるが如くにつくる。びらうどにてはりつつみてつくる」云々とあり。柳樽九七編「日本武さまの御作の吾妻形」「落城の濠に浮いてる吾妻形」。
- 張形の一種。詳しくは著者の『性慾学語彙』並に『川柳変態性慾志』に述べたり。
「吾妻形」の例文・使い方・用例・文例
- 吾妻形のページへのリンク