古ウイルス学における研究対象として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/26 05:55 UTC 版)
「内在性ウイルス様配列」の記事における「古ウイルス学における研究対象として」の解説
EVEは太古のウイルスに関する貴重な情報源である。その多くが数百万年前に起こった生殖細胞系への組み込みに由来するものであり、ウイルスの化石と見做すことができる。このような古いEVEは、ウイルスの長期的な進化を研究する古ウイルス学(英語版)における重要な研究対象となっている。互いに相同な複数のEVE挿入を同定することで、それらを含む宿主生物種間の遺伝的分化(英語版)の時期に基いてウイルスの長期的な進化の歴史を推定することができる。このアプローチにより、パルボウイルス、フィロウイルス、ボルナウイルス(英語版)、サーコウイルスが少なくとも三千万年から九千三百万年から存在すること、レトロウイルスの一種であるレンチウイルス(英語版)が少くとも千二百万年前から存在することが示唆されている。加えて、地質時代までさらに遡ってウイルス進化史を探るため、分子時計に基いたEVEの分析が行われている。
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