前川の進化理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/07/22 08:17 UTC 版)
前川は単に分布の型として古赤道分布を主張した訳ではない。彼によると、赤道周辺というのは植物の進化において特に重要なのだと言う。現在も見られるが、赤道周辺の標高の高い場所は、高温や霧などによって、植物にとって必ずしも危険でないような環境の多様性が特に高く、また、一日の温度変化が激しい。そのため、多くの新しい群がこの地域で生まれたのだというのである。特に、彼は異数性などの染色体突然変異を重視し、そのような環境がそれを引き起こすものと考えていた。 たとえばホモキシロンと呼ばれる材木化石がある。これは導管があって被子植物でありながら、木部の断面の細胞の大きさがそろっており、裸子植物的特徴を持っている。この化石の出土が、やはり古赤道に沿って分布する。これを、彼は被子植物進化の重要な局面が古赤道沿いで起きた証拠と見なしている。
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