内山義英 (エンジニア)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 内山義英 (エンジニア)の意味・解説 

内山義英 (エンジニア)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/04 00:00 UTC 版)

内山 義英
うちやま よしひで
生誕 (1957-08-25) 1957年8月25日(67歳)
静岡県静岡市
教育 京都大学大学院工学研究科 建築学専攻 修了
業績
専門分野 耐震・防災工学、構造工学、材料工学
テンプレートを表示

内山 義英(うちやま よしひで、1957年8月25日 - )は、日本構造技術者、研究開発コンサルタント竹中工務店技術研究所チーフエンジニア、株式会社ハイテックのチーフエンジニア、静岡地震防災研究会代表、ブレイン代表などを歴任した。

経歴

1957年、静岡県静岡市生まれ。静岡県立静岡高等学校を卒業後、京都大学工学部建築学科に進学した。建築を専攻し、さらに「明快で割り切れる」との動機から構造工学を志し、鉄骨構造系の研究室に進む。大学院進学後は、鉄骨構造形式や材料の研究開発に従事する。修士論文では、各種鋼構造柱梁溶接接合部の疲労特性に関する研究を発表した[1]

1982年竹中工務店に入社し、建築構造、耐震防災についての技術研究に従事。

1994年には建物架構を3次元立体モデル化し、スーパーコンピュータ上での高速演算により時刻歴応答解析を行う「立体架構弾塑性解析システム」を開発[2]。このシステムは1995年に発生した阪神・淡路大震災の建物被害の原因について解明するのに大きな役割を持った[3][疑問点] このほか、引抜き抵抗する免震装置である「高強度積層ゴム」を開発し、超高層免震構造を開発・実用化(1996年)[4][5]、この超高層免震構造を利用した日本初の超高層ビル「パークシティ杉並セントラルタワー」が2000年に竣工[6][7][8][9][10]、世界初の地上100mを超える超高層免震となる「元麻布フォレストタワー」が竣工した[11][12][疑問点]

竹中工務店を退社後、2012年に静岡地震防災研究会を設立し、浮体式津波防波堤「メガウォール」を開発した[13][14][15]。同年、静岡平野および清水平野の神社立地マップを作成し、最大津波浸水域を予測し公表した[16]

2017年6月時点では、静岡地震防災研究会の代表[17]およびブレインの代表[18]を務める。

2018年より、時期・地域・規模を予測し、地震発生の1週間以内にお知らせする地震予知サービス「予知するアンテナ」で地震予測の情報提供を行っている[19]

特許

特許出願22件、特許登録12件

発明者単独特許は、「ハイブリッド型制振方法及び制振構造物」(1999年)、「制震構造部材」(2000年)などがある。

論文

単独または共著として発表された主な論文。

  • 1982年 "各種鋼構造柱梁溶接接合部の疲労特性に関する研究" 日本建築学会
  • 1987年 "Experimental Study on Nonlinear Characteristics of Reactor Building" SMiRT9,Lausanne
  • 1993年 "立体架構弾塑性応答解析統合システムの開発" 日本建築学会(6名の共著)
  • 1993年 "原子炉建屋耐震壁の動的性能に関する試験:その12終局応答試験:試験の結果" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1998年 "超高層免震構造の開発と適用:その1全体概要" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1998年 "超高層免震構造の開発と適用:その2高強度積層ゴムの開発と確認実験" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1998年 "超高層免震構造の開発と適用:その3高強度積層ゴムの実用化検討" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1998年 "超高層免震構造の開発と適用:その4リニアスライダーの開発と確認実験" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1998年 "超高層免震構造の開発と適用:その5リニアスライダーを用いた模型建物の振動台実験" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1999年 "超高層免震構造の開発と適用:その6高強度積層ゴムの性能確認実験" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1999年 "超高層免震構造の開発と適用:その7高強度積層ゴムを用いた超高層免震集合住宅" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1999年 "超高層免震構造の開発と適用:その8リニアスライダーの実用化" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1999年 "超高層免震構造の開発と適用:その9鉛プラグ入り高強度積層ゴムの基本特性実験" 日本建築学会(5名の共著)
  • 1999年 "超高層免震構造の開発と適用:その10リニアスライダーのねじれ特性実験" 日本建築学会(5名の共著)

著書

出典

  1. ^ 各種鋼構造柱梁溶接接合部の疲労特性に関する研究(構造) 1982年 日本建築学会
  2. ^ 1992年 "立体架構弾塑性応答解析統合システムの開発" 日本建築学会 http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902120311460037
  3. ^ 1996年2月1日 "立体架構弾塑性解析システムを開発" 建設通信新聞、建設工業新聞他2紙
  4. ^ 超高層免震構造の開発と適用 : その1 全体概要 1998年 日本建築学会
  5. ^ 1996年12月20日 "超高層免震を開発" 建設通信新聞、建設工業新聞、日経産業新聞他3紙、1997年1月19日 "超高層免震特集" 日本経済新聞
  6. ^ 超高層免震構造の開発と適用 : その6 高強度積層ゴムの性能確認実験 1999年 日本建築学会
  7. ^ 1998年6月3日 "パークシティ杉並を着工" 日本経済新聞、日経産業新聞他5紙、2000年11月7日 "パークシティ杉並が竣工" 建設通信新聞、建設工業新聞、日経産業新聞他3紙
  8. ^ 高さ世界一の免震超高層マンション「パークシティ杉並」竣工 2000年10月31日
  9. ^ 建築技術webショップ_商品詳細 月刊建築技術 2008年12月号 第707号 p.201 "タブーに挑戦したエンジニアの軌跡"
  10. ^ 超高層免震の先駆け、実現までの軌跡 | 日経クロステック(xTECH) 日経アーキテクチュア2011/07/10号 p.78
  11. ^ 2000年3月10日 "元麻布フォレストタワーを着工" 建設通信新聞、建設工業新聞、日経産業新聞他3紙
  12. ^ [公式]MOTOAZABU HILLS|元麻布ヒルズ|安全・安心 2002年5月
  13. ^ 2013年1月15日 "浮体式防波堤の公開実験" 時事通信 http://www.jiji.com/jc/p_archives?id=20130115200301-0013878588 2013年1月17日 "浮体式防波堤の公開実験" 毎日新聞
  14. ^ 2014年5月3日 "浮体式防波堤メガウォール" 共同通信https://web.archive.org/web/20140506021051/http://www.47news.jp/CN/201405/CN2014050301001170.html 津波の高さ、防波堤で9分の1以下に 民間団体が動画公開: 日本経済新聞
  15. ^ 2014年5月11日 "浮体式防波堤メガウォール" 静岡新聞、2014年5月20日 "浮体式防波堤メガウォール" 産経新聞
  16. ^ 2012年9月8日 "神社マップにより最大津波を予測" 静岡新聞
  17. ^ 静岡地震防災研究会 - 2017年6月10日閲覧
  18. ^ ブレイン地震予測 - 2017年6月10日閲覧
  19. ^ 予知するアンテナ”. 予知するアンテナ. StockTech株式会社. 2018年9月7日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「内山義英 (エンジニア)」の関連用語

内山義英 (エンジニア)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



内山義英 (エンジニア)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの内山義英 (エンジニア) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS