全不連結空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 15:20 UTC 版)
位相空間 X の連結成分がすべて一点からなる集合であるとき、X は全不連結または完全不連結(かんぜんふれんけつ、totally disconnected)であるという。このような位相空間の例として、有理数全体の成す集合 ℚ に絶対値に関する距離位相を入れたものや、p-進数体 ℚp あるいはその上の線型代数群などを挙げることができる。これに関連して、位相空間 X に相異なる二点が与えられたとき常に、交わりを持たないようにそれぞれの点の開近傍を選び出して X を覆うことができるならば、X は全分離あるいは完全分離(かんぜんぶんり、totally separated)的であるという。完全分離空間は完全不連結であるが逆は正しくない。実際、有理数体 ℚ の二つのコピーを 0 以外の点で(同じ数は同じ数同士で)貼合わせて得られる集合 ( A ⊔ B ) / ∼ ( A = B = Q ) {\displaystyle (A\sqcup B)/\sim \quad (A=B=\mathbb {Q} )} (ただし関係 ∼ は、a (≠ 0) ∈ A と b (≠ 0) ∈ B については a ∼ b ⇔ a = b となるような最小の同値関係とする)に商位相を入れたものは完全不連結であるが、0 のふたつのコピーはどのような開近傍によっても分離することができないのでハウスドルフ空間にすらならず、特に完全分離的ではない。
※この「全不連結空間」の解説は、「連結空間」の解説の一部です。
「全不連結空間」を含む「連結空間」の記事については、「連結空間」の概要を参照ください。
- 全不連結空間のページへのリンク