優れた情景詠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:13 UTC 版)
中城ふみ子の短歌は、どうしても後述の性や死を中心として語られがちであるが、優れた情景詠、日常詠も数多い。情景、日常生活をしっかりと詠む実力があるからこそ、波乱万丈な人生経験を踏まえた、性や死などといったテーマも詠みこなすことが出来た。例えば 夕ぐれは水の如くに流れたり宗八かれひ香しく焼く のような、平凡な日常の光景をそのまま切り取った佳詠である。 優れた情景歌、日常詠、そして性や死といったテーマの作品を支えたのが、特徴のひとつとされている冷静な観察眼である。これは後述するしばしば演技性の高さが指摘されるふみ子の短歌作品においても、決して自己陶酔の世界に溺れ込むことなく、一面では冷静に自らや状況を客観視した作品として完成させることに成功した。
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