佐々木孝友とは? わかりやすく解説

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佐々木孝友

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/28 19:02 UTC 版)

佐々木 孝友(ささき たかとも、1943年9月19日 - 2021年)は、日本の電気/電子工学物性工学者。大阪大学名誉教授。工学博士(大阪大学)。日本結晶成長学会第9代会長[1]。人工結晶工学会元副会長。電気学会調査専門元委員長。レーザー学会元研究会委員・編集委員会委員。日本学術振興会第161委員会幹事長。レーザー核融合応用の大型レーザー結晶成長分野の第一人者[2]

専門は、光工学光量子科学・光エレクトロニクス(特にレーザー結晶)、電気材料工学物性工学(特に非線形光学材料)、レーザー工学レーザー核融合プラズマ含む)。

略歴

1967年大阪大学工学部電気工学科卒業。1969年同大学大学院工学研究科電気工学専攻博士前期課程修了。のちに、工学博士(大阪大学)。同大学工学部助手(指導教授:日本のレーザー核融合研究のパイオニアである山中千代衛)となり、1973年大阪大学レーザー核融合研究センター(現:大阪大学レーザー科学研究所)研究員としてレーザー核融合プラズマの研究に従事。講師を経て、1978年同大学工学部電気工学科助教授。その間、胃潰瘍の大手術を経験し、数ヵ月療養[2]。これを期にレーザー核融合に必要な波長変換結晶KDP(KH₂PO₄)の育成研究に転じる[3]。国産初のレーザ核融合用の超大型KDP結晶の育成に成功し[4]、1983年山中千代衛が主導した世界最高性能(当時)の「激光XII号」[5]ガラスレーザー装置に搭載される[6]。1992年同学科教授。1998年大阪大学大学院工学研究科教授(電気材料・物性講座:電気物性工学領域)。2002年大阪大学ベンチャービジネスラボラトリー長などを経て、2007年同大学定年退官、大阪大学名誉教授。退官後は、大阪大学先端科学イノベーションセンターVBL部門客員教授、大阪大学発ベンチャーの(株)創晶取締役なども務めた[7]。2021年逝去。

大阪大学工学部電気工学科において、大阪大学レーザー核融合研究センター(現:大阪大学レーザー科学研究所)創設者の山中千代衛らと共に、世界最高性能(当時)の「激光XII号」ガラスレーザー装置の開発に携わり、その応用技術で大型レーザー結晶成長分野の第一人者して同分野および物性工学・電気材料工学(特に非線形光学材料)の研究・育成に貢献した。

主な所属学会は、アメリカ光学会、日本結晶成長学会、人工結晶工学会、日本物理学会応用物理学会電気学会レーザー学会など。

主な著書

  • 図解 光デバイス辞典 増補改訂版:非線形光学材料(オプトロニクス社、1999)
  • 有機非線形光学材料の開発と応用(シーエムシー出版、2001)
  • レーザーと現代社会(コロナ社、2002)
  • ナノ・IT時代の分子機能材料と素子開発 第2編第10章第1節「波長変換素子」(エヌ・ティー・エス、2004)
  • 光技術総合事典:無機非線形光学結晶・有機非線形光学結晶(オプトロニクス社、2004)
  • 有機結晶材料の最新技術:第11章 バルク結晶成長(シーエムシー出版、2005)
  • バルク単結晶の最新技術と応用開発:単結晶材料の最新動向編 第6章および有機物等単結晶製造技術-特殊材料の製造技術編 第4章 フラックス法KTP, CLBO(シーエムシー出版、2006)

主な受賞

  • 電気学会進歩賞(1972)
  • 新技術開発財団市村賞「超大型KDP単結晶育成に関する技術開発」(1986)[2]
  • レーザー学会奨励賞/進歩賞/論文賞(1987/1996・2000/2005)
  • 日本結晶成長学会論文賞/貢献賞/技術賞/第5回業績賞および赤﨑勇[8](1996/2004/2008/2010)
  • リオン賞(フランス2000)
  • 第21回櫻井健二郎氏記念賞(2005)
  • 第16回日経BP技術賞 大賞(2006)
  • 第1回モノづくり連携大賞特別賞(2006)
  • 平成19年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)(2007)
  • 第37回井上春成賞(2012)
  • 大学発ベンチャー表彰2015「文部科学大臣賞」(2015)
  • 第22回半導体・オブ・ザ・イヤー2016「グランプリ(半導体用電子材料部門)」(2016)

主な研究

脚注




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