他の芳香族置換反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/14 15:48 UTC 版)
「ジアゾニウム化合物」の記事における「他の芳香族置換反応」の解説
ジアゾニウム塩を経由するフッ化アリールの合成法としてシーマン反応が知られている。シーマン反応では、テトロフルオロホウ酸芳香族ジアゾニウム塩を熱分解することで、相当するアミノ基の位置でフッ素が置換したフッ化アリールが得られるが、概して収率はよくない。アリールカチオンが発生する SN1機構を経ると考えられている。 Ar − N + ≡ N ⋅ BF 4 − ( heat ) ⟶ Ar − F {\displaystyle {\ce {Ar-N^{+}\ \equiv N\cdot BF4-(heat)->Ar-F}}} ハロゲンがヨウ素の場合は、特に触媒を必要とせず、ヨウ化物イオン (I−) のみの作用で置換反応が進行する。 Ar − N + ≡ N + KI ⟶ Ar − I + K + + N 2 ↑ {\displaystyle {\ce {Ar-N^{+}\ \equiv N\ +KI->Ar-I\ +K^{+}\ +N2\uparrow }}} 2-アミノピリジンから発生させたジアゾニウム塩は、ハロゲン化水素と反応して 2-ハロピリジンを与える(Craig 法)。 さまざまな硫黄求核種 (RS−, SO2 etc.) とも反応し、対応する芳香族硫黄化合物を与える。遷移金属触媒を用いたクロスカップリング反応の基質として用いられる例もある。
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