交響曲第8番_(ヴィラ=ロボス)とは? わかりやすく解説

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交響曲第8番 (ヴィラ=ロボス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/09 13:34 UTC 版)

交響曲第8番は、エイトル・ヴィラ=ロボスが1950年に作曲した交響曲

概要

ヴィラ=ロボスは1950年に、リオデジャネイロで本作を作曲した。初演は1955年1月14日に、ニューヨークカーネギー・ホールにおいて作曲者自身の指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏により行われた。ヨーロッパ初演はそのすぐ後の1955年3月15日にパリサル・ガヴォーで行われた。奏者はパリ音楽院の演奏協会管弦楽団で、やはりヴィラ=ロボスが指揮台に上った。曲は『ニューヨーク・タイムズ』紙の音楽評論家オーリン・ダウンズへと献呈された[1]

この時期のヴィラ=ロボスは愛国的な要素の使用を控えめにしており、本作にもブラジル色が明らかな材料はほとんど用いられていない。形式的にも伝統的な交響曲の方法論に依拠する部分が大きく、構造の堅固さが印象に残る。とはいえ、その中にも滲み出てくる作曲者の個性により、曲を耳にすればすぐさまヴィラ=ロボスの作品であると認識可能である[2]

楽器編成

ピッコロ2、フルート2、オーボエ2、コーラングレクラリネット2、バスクラリネットファゴット2、コントラファゴットホルン4、トランペット4、トロンボーン4、チューバティンパニタムタムシンバルシロフォンチェレスタハープ2、ピアノ弦五部

楽曲構成

全4楽章で構成される。演奏時間は約25分。楽章の構成は『Villa-Lobos, sua obra[3]』と『Latin American Music Center[4]』では次のように記載されている。

  1. Andante
  2. Lento (assai)
  3. Allegretto scherzando
  4. Allegro (giusto)

一方、cpoのCD(CPO 999 517-2)に付属のライナーノーツ、及び録音のトラック分けは次のようになっている。第1楽章の区分けが細かくなっている以外は、概ね上述のヴィラ=ロボス作品カタログと一致している。

  1. Andante – Allegro – Tempo I
  2. Lento assai
  3. Allegro giusto
  4. Molto allegro

エンヤールは終楽章でイタリア語の綴りである「giusto」に代えてポルトガル語の「justo」をあてがい、若干異なる表記を示している[5]

  1. Andante – Allegro
  2. Lento
  3. Allegretto scherzando
  4. Allegro justo

出典

参考文献

  • Enyart, John William. 1984. "The Symphonies of Heitor Villa-Lobos". PhD diss. Cincinnati: University of Cincinnati.
  • Latin American Music Center. n.d. "Symphony No. 8". Heitor Villa-Lobos Website. Indiana University (accessed 5 November 2016).
  • Villa-Lobos, sua obra. 2009. Version 1.0. MinC / IBRAM, and the Museu Villa-Lobos. Based on the third edition, 1989.

関連文献

  • Béhague, Gerard. 1994. Villa-Lobos: The Search for Brazil's Musical Soul. Austin: Institute of Latin American Studies, University of Texas at Austin, 1994. ISBN 0-292-70823-8.
  • Béhague, Gerard. 2001. "Heitor Villa-Lobos' Symphonies No. 6 and No. 8, and Suite pour cordes". Booklet accompanying Heitor Villa-Lobos: Symphonies 6 & 8, 16–24 (also in German and French translations, 4–13 and 27–36, respectively). SWR Radio-Sinfonieorchester Stuttgart, Carl St. Clair, cond. Recorded 17–21 February 1997 and 18 April 2000, Stadthallle Sindelfingen. CD recording. 1 disc, 12 cm, stereo. CPO 999 517-2.
  • Salles, Paulo de Tarso. 2009. Villa-Lobos: processos composicionais. Campinas, SP: Editora da Unicamp. ISBN 978-85-268-0853-9.

外部リンク




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